商品コード: RLB222355

グリーンプラスチックス材料技術と動向

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出版図書

■体裁:B5判、230ページ
■発刊:2005/04
■ISBNコード:978-4-88231-500-1
■シーエムシー出版

★ コンポスト特性以外にも日常品や産業副資材などへも開拓されてきたグリーンプラスチック。
★ 耐熱性・耐衝撃性・柔軟性・透明性・耐久性・分解性といった性能をもったグリーンプラスチックについて、各メーカーの開発者がその性能データや使用実績などを事細かく執筆!
★ 微生物系、天然物系、化学合成系の樹脂から半製品や副資材系までまとめ上げた、必携の一冊!

【著者】
大島一史   生分解性プラスチック研究会 事務局長
田口精一   北海道大学大学院 工学研究科 生物機能高分子専攻 生物工学講座 バイオ分子工学研究室 教授
岩田忠久   (独)理化学研究所 高分子化学研究室 副主任研究員
三木康弘   (株)カネカ 特殊樹脂事業部 事業開発グループ
岡田鉦彦   中部大学 応用生物学部 応用生物科学科 教授
星野 修   ケミテック(株) 代表取締役
大脇毅衛   アイセロ化学(株) マーケティング本部 新事業開発グループ サブマネージャー
神村基和   アイセロ化学(株) マーケティング本部 研究室 マネージャー
村上 禎   ダイセル化学工業(株) 研開企画部 セルグリーン事業室 室長
位地正年   日本電気(株) 基礎・環境研究所 エコマテリアルTG 研究部長
三原 崇   大日本インキ化学工業(株) ポリマ添加剤技術本部 ポリマ改質剤技術グループ
宮本貴志   東洋紡績(株) 高機能化成品総括部 バイロン事業部
水越達也   昭和高分子(株) 事業企画部 副参事
岸本 学   三菱化学(株) 誘導品ポリマー部門 新規事業推進室
植田 正   (株)三菱化学科学技術研究センター R&TD事業部門 ポリマー合成研究所
水谷章子   デュポン(株) パッケージング&インダストリアルポリマーズ部
前田昌宏   BASFジャパン(株) ポリマー本部
伊藤 宏   (株)日本触媒 事業企画室 基礎化学品開発グループ 主任部員
辻 正男   (株)クラレ 研究開発本部 企画・開発推進部 企画専任職
山根和行   呉羽化学工業(株) 錦総合研究所  
奥谷正宏   ミヨシ油脂(株) 油化事業本部 化成品技術部 主任研究員
土井幸夫   コンサルティングケミスト
西池春樹   昭和高分子(株) 龍野研究所 エマルジョン研究室 室長
角 英行   第一工業製薬(株) 機能材料研究部 課長
猪股 勲   三菱樹脂(株) エコロージュ部 開発部長
武田敏之   東レ(株) 瀬田工場 機能資材・商品開発センター 所長
望月政嗣   ユニチカ(株) テラマック事業開発部 部長
渡辺達也   東セロ(株) 新フィルム開発室 室長
大越郁夫   リケンテクノス(株) 材料開発研究所
桑原英樹   JSP(株) 高機能材カンパニー 開発部 部長
榎本 洋   日清紡(株) 川越工場 製紙課 係長
塚田 昌   大日精化工業(株) グラビアインキ事業部 開発室長
藤田幸介   大日本インキ化学工業(株) 応顔技術本部 カラーデザイングループ
相良恵紀   大日本インキ化学工業(株) 応顔技術本部 カラーデザイングループ 主任研究員
指田和幸   理研ビタミン(株) 化成品部 技術第1グループ リーダー
藤田裕規   大八化学工業(株) 企画開発部 主査
武田詔二   荒川化学工業(株) 新事業企画開発部 マネージャー
染宮昭義   (財)化学技術戦略推進機構 常務理事 戦略推進部長

【序文】
 資源、及び環境に対する負荷が問われ、また全ての製品に対して再資源化が要求される時代にあって、プラスチックも今日的社会の基盤資材としての責任を避けられない。
 グリーンプラスチックとは資源と環境への負荷が低いプラスチックになるが、本書では再生可能資源を原料とするプラスチックと生分解性を示すプラスチックについてグリーンプラスチックとしての要件を紹介し、実用展開している個別資材の現状と今後を概観する。
 再生可能資源由来プラスチックはバイオベース・プラスチック、或いは植物由来プラスチック等と呼ばれてきたが、最近は呼称として“バイオマスプラスチック”に収束してきている。
 農林水産省は2005年2月からバイオマス・マークを制定し、バイオマス由来製品の識別表示を始めた。経済産業省は2005年3月25日から9月25日にかけて愛知県長久手町と瀬戸市で開催する2005年日本国際博覧会(愛称“愛・地球博”)の会場に、バイオマスプラスチック製食器具大規模に導入し、多様な再資源化実証事業を推進している。前者は、“バイオマス・ニッポン総合戦略”、後者は“バイオテクノロジー戦略大網”の政策実現施策としての展開であり、バイオマスプラスチックは普及・定着を目指した新しい段階に入ろうとしている。
 一方、生分解性は製品が使用後に再資源化を図る時点で特徴を発揮する機能である。生分解性プラスチックはこれ迄、そのコンポスト化特性を生かした生ごみ袋、完全生分解性を生かした農業生産資材、特にマルチフィルムとして着実に普及度を上げてきた。生分解性プラスチックの多くがバイオマス由来系であり、またバイオマスプラスチックの殆どが生分解性を示す事から、愛・地球博会場でも生分解性プラスチックもようやく食品容器包装資材としての展開が立ち上がろうとしている。
 本誌はこの様な時代背景の下に企画された。本誌を通して原料に特徴のあるバイオマスプラスチックと、機能に特徴のある生分解性プラスチックのグリーンプラスチックとしての意義と現状が理解され、今後の基盤材料として定着していくことを期待している。

2005年4月  大嶋一史

【目次】

第1章 グリーンプラスチック:総論と国内外の動向(大島一史)
1. 行政・技術・市場の動向
1.1 行政上の扱いと施策上の取り組み
1.1.1 容器包装リサイクル法(通称)上の扱い
1.1.2 食品廃棄物リサイクル法(通称)上の扱い
1.1.3 グリーン購入法(通称)上の扱い
1.1.4 国の基本戦略の中での扱い
1.2 技術動向
1.2.1 耐久性、及び耐熱性の付与
1.2.2 試験法標準化の動向
1.2.3 識別表示制度
1.3 市場動向
1.3.1 市場規模
1.3.2 用途
1.3.3 実用化された材料と銘柄
1.3.4 識別表示制度の展開
2. 今後の課題と展望
2.1 行政への期待
2.2 開発すべき要素技術
2.3 市場展望
2.3.1 “愛・地球博”会場への導入
2.3.2 識別表示制度の落着き先
2.3.3 用途展開
2.3.4 材料・銘柄

第2章 微生物由来のグリーンプラスチック
1. 微生物由来のグリーンプラスチック(田口精一、岩田忠久)
1.1 はじめに
1.2 PHAの微生物による生産
1.2.1 PHA生合成経路と共重合体の分子設計
1.2.2 PHA生産組換え微生物の分子育種
1.2.3 PHA合成関連酵素の機能改変
1.2.4 PHAの生産コスト
1.3 PHAの植物による生産
1.4 PHAの高強度化技術の開発
1.5 PHAの生分解性制御技術の開発
1.6 おわりに

2. ポリヒドロキシアルカノエート(三木康弘)
2.1 はじめに
2.2 開発の経緯
2.3 PHBHの製造法
2.4 PHBHの特性
2.4.1 生分解性
2.4.2 物性
2.4.3 加工成型および用途
2.5 今後の課題

第3章 天然物系グリーンプラスチック
1. アカデミア側からの最新状況解説―糖質を活用したグリーンプラスチック―(岡田鉦彦)
1.1 はじめに
1.2 キチン・キトサン
1.2.1 溶解性の改善
1.2.2 キチン・キトサンのブレンド
1.2.3 生分解性ヒドロゲルおよびミクロスフィア
1.3 セルロース・デンプン
1.4 デキストラン
1.5 糖質由来モノマーからの高分子合成
1.5.1 糖質を主鎖に組み込んだ高分子
1.5.2 糖質を側鎖の導入した高分子
1.6 おわりに

2. 澱粉系
2.1 澱粉系生分解性樹脂「マタービー」(星野修)
2.1.1 マタービーについて
2.1.2 マタービーの特性
2.1.3 マタービーの主な用途
2.1.4 マタービーの物性
2.2 ドロンNKについて(大脇毅衛、神村基和)
2.2.1 はじめに
2.2.2 製品仕様・物性特徴
2.2.3 ドロンNKを用いたコンポスト処理状況
2.2.4 今後の展開

3. セルロース系
3.1 セルグリーンPCA(村上禎)
3.1.1 はじめに
3.1.2 酢酸セルロース
3.1.3 セルグリーンPCAとその特徴
3.1.4 セルグリーンPCAの生分解性
3.1.5 セルグリーンPCAの品種と特徴
3.1.6 おわりに

第4章 化学合成系のグリーンプラスチック
1. バイオマス由来プラスチックとしてのポリ乳酸
1.1 電子機器用の高機能バイオプラスチックの開発(位地正年)
1.1.1 電子機器用バイオプラスチックの現状と課題
1.1.2 ケナフ繊維添加ポリ乳酸の開発
1.1.3 難燃性ポリ乳酸の開発
1.1.4 リサイクル可能な形状記憶性ポリ乳酸
1.1.5 まとめと将来展望
1.2 ポリ乳酸用改質剤「プラメート」PDシリーズ(三原崇)
1.2.1 はじめに
1.2.2 「プラメート」の特性
1.2.3 プラメートPD-150(耐衝撃性付与ポリ乳酸用改質材)
1.2.4 プラメートPD-350(柔軟性付与ポリ乳酸用改質材)
1.2.5 おわりに
1.3 機能性ポリ乳酸樹脂「バイロエコール」の開発(宮本貴志)
1.3.1 概要
1.3.2 東洋紡績における機能性ポリ乳酸樹脂開発の歴史
1.3.3 バイロエコールとは
1.3.4 開発事例
1.3.5 おわりに

2. ジオール・ジカルボン酸系グリーンプラスチック
2.1 ポリブチレンサクシネート系グリーンプラ「ビオノーレR」(水越達也)
2.1.1 はじめに
2.1.2 合成技術
2.1.3 ビオノーレの特性
2.1.4 用途展開
2.1.5 地球温暖化の観点から
2.1.6 ビオノーレの今後の展開
2.2 環境持続型樹脂「GS Pla(R)」の開発(岸本学、植田正)
2.2.1 はじめに
2.2.2 GS Pla(R)の特徴
2.2.3 GS Pla(R)のグレード
2.2.4 GS Pla(R)の用途展開
2.2.5 GS Pla(R)の生分解性
2.2.6 GS Pla(R)の安全性
2.2.7 今後の展望…植物資源化に向けて
2.3 耐久性生分解性ポリエステル「デュポンTMバイオマックス(R)」(水谷章子)
2.3.1 製品概要・特徴
2.3.2 製品データと使用事例
2.3.3 バイオマックス(R)の生分解性
2.3.4 デュポンの環境対応ポリエステル
2.3.5 今後の展開
2.4 BASF社の生分解性樹脂「エコフレックス」(前田昌宏)
2.4.1 はじめに
2.4.2 エコフレックスの特徴とフィルムの特性
2.4.3 各種用途例
2.4.4 生分解性および衛生性
2.4.5 おわりに
2.5 ルナーレSE(伊藤宏)
2.5.1 生分解性樹脂を取り巻く状況と日本触媒の戦略
2.5.2 ルナーレ(R) SE
2.5.3 ガスバリアー性を生かした用途開発
2.5.4 生分解性種子パックの開発
2.5.5 ルナーレ(R) SEを利用したトリクロロエチレンの浄化
2.5.6 ルナーレ(R) SEを利用した排水中の窒素除去
2.6 セルグリーンCBS(村上禎)
2.6.1 はじめに
2.6.2 セルグリーンCBS
2.6.3 セルグリーンCBSの採用例
2.6.4 農業用マルチフィルムへの実用例
2.6.5 今後の課題

3. ポリビニルアルコール
3.1 クラレ:ポバール、「エクセバールR」(辻正男)
3.1.1 製品概要・特徴
3.1.2 製品データ
3.1.3 用途・応用
3.1.4 今後の展開

4. ポリカプロラクトン
4.1 セルグリーンPH(村上禎)
4.1.1 はじめに
4.1.2 セルグリーンPHの生分解性
4.1.3 セルグリーンPHの物性
4.1.4 セルグリーンPHの取扱い上の注意ならびに安全性
4.1.5 セルグリーンPHの応用
4.1.6 今後の展望

5. ポリグリコール酸樹脂
5.1 呉羽化学:PGA
5.1.1 製品概要・特徴
5.1.2 特性
5.1.3 用途・応用
5.1.4 環境負荷について
5.1.5 今後の展開

第5章 機能性エマルション、コンパウンドおよび半製品
1. エマルション
1.1 生分解性バイオベースポリマーエマルション「ランディ」(奥谷正宏)
1.1.1 製品概要・特徴
1.1.2 製品一覧・仕様・用途
1.1.3 応用例
1.1.4 おわりに
1.2 ジオール・ジカルボン酸系エマルション(土井幸夫、西池春樹)
(1) はじめに
(2) 製品概要と特徴
(3) 製品データ
(4) 用途・応用
(5) 使用事例
(6) おわりに
1.3 ポリ乳酸エマルションの特性と応用(角英行)
1.3.1 はじめに
1.3.2 製品の概要
1.3.3 製品特性
1.3.4 応用例
1.3.5 おわりに

2. 半製品
2.1 植物系素材で新しい包装システムをクリエイトする「エコロージュ」(猪股勲)
2.1.1 はじめに
2.1.2 エコロージュの物性改良に向けての取り組み
2.1.3 エコロージュの用途とその適用ポイント
2.1.4 主要な商品化の状況
2.1.5 今後の展開
2.2 テラマック(TERRAMACTM)(望月政嗣)
2.2.1 はじめに
2.2.2 成形用樹脂
2.2.3 フィルムシート
2.2.4 ファイバー
2.2.5 不織布
2.2.6 水性エマルション
2.3 ポリ乳酸「Ecodear(エコディア)」(武田敏之)
2.3.1 環境貢献が期待されるポリ乳酸
2.3.2 ポリ乳酸繊維の実用化
2.3.3 ポリ乳酸繊維の課題
2.3.4 自動車内装材分野への適用
2.3.5 インテリア分野への応用
2.3.6 ポリ乳酸の拡がり
2.4 生分解性フィルム「パルグリーン」「パルシール」(渡辺達也)
2.4.1 はじめに
2.4.2 生分解性二軸延伸フィルム「パルグリーン」
2.4.3 「パルグリーン」の用途
2.4.4 生分解性無延伸フィルム「パルシール」
2.4.5 「パルシール」の用途
2.4.6 愛・地球博での採用
2.4.7 おわりに
2.5 リケンテクノスのグリーンプラコンパウンド(大越郁夫)
2.5.1 はじめに
2.5.2 ペレットコンパウンドとは
2.5.3 製品紹介
2.5.4 おわりに
2.6 グリーンブロック(桑原英樹)
2.6.1 はじめに
2.6.2 グリーンブロックの特徴
2.6.3 生分解性
2.6.4 焼却性
2.6.5 物性
2.6.6 採用事例
2.7 植物由来生分解性合成紙「ピーチコートLRシリーズ」(榎本洋)
2.7.1 はじめに
2.7.2 製品概要
2.7.3 物性
2.7.4 特徴
2.7.5 用途
2.7.6 応用
2.7.7 今後の展開

第6章 生分解性副資材
1. カラーインキ・カラーマスター
1.1 生分解性グラビアインキ「バイオテックカラー」(塚田昌)
1.1.1 はじめに
1.1.2 生分解性グラビアインキ開発の有効性
1.1.3 「バイオテックカラー」開発のコンセプト
1.1.4 採用が始まっている用途及びインキ、シール剤の種類
1.1.5 水田用・除草保温シート「マルチ・ダイエコロ」
1.2 グリーンプラスチック用マスターバッチ「スパンダイBPR・PLRシリーズ」(藤田幸介、相良惠紀)
1.2.1 はじめに
1.2.2 製品の構成
1.2.3 製品の特徴
1.2.4 用途・応用
1.2.5 おわりに

2. 可塑剤
2.1 生分解性プラスチック用可塑剤「リケマール」について(指田和幸)
2.1.1 はじめに
2.1.2 アセチル化モノグリセライド系可塑剤の特徴
2.1.3 可塑性評価結果
2.1.4 おわりに
2.2 ポリ乳酸用可塑剤「DAIFATTY-101」の開発(藤田裕規)
2.2.1 はじめに
2.2.2 DAIFATTY-101の開発経緯
2.2.3 DAIFATTY-101の特徴
2.2.4 DAIFATTY-101の性能
2.2.5 ポリ乳酸において確認された問題点とその対策例
2.2.6 今後の課題
2.3 ラクトサイザー(武田詔二)
2.3.1 はじめに
2.3.2 製品の概要
2.3.3 可塑剤評価結果
2.3.4 おわりに

第7章 グリーンプラスチックの将来展望(染宮昭義)
1. グリーンプラスチック開発の歴史と背景
2. 21世紀における社会環境変化への対応
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