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RLB100178
微細加工と表面機能 ナノ・マイクロ構造による光学,摩擦,ぬれ等の機能実現
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■発行:リアライズ理工センター/リアライズAT(株)
■体裁:A4版/約300頁
■発刊:2007/05/31
■ISBNコード:978-4-89808-081-8
【執筆者】
(執筆順)
菊田久雄[大阪府立大学]/田畑 洋[KRI]/梅原徳次[名古屋大学]/
柳原栄一[神奈川県技術アドバイザー]/辻井 薫[北海道大学]/
渡辺敬三[東京農工大学]/三浦健蔵[三造試験センター]/
功刀資彰[京都大学]/武田邦彦[名古屋大学]/竹内芳美[大阪大学]/
鈴木浩文[神戸大学]/宮本岩男[東京理科大学]/吉田善一[東洋大学]/
増沢隆久[増沢マイクロ加工技術コンサルティング]/
池野順一[埼玉大学]/諸貫信行[首都大学東京]/谷口 淳[東京理科大学]/
銘苅春隆[産業総合技術研究所]/服部 正[兵庫県立大学]/
渡邉 徹[芝浦工業大学]/渡部修一[日本工業大学]/
中島 秀[九州大学]/内山一美[首都大学東京]/
益田秀樹,西尾和之[首都大学東京]/金子 新[首都大学東京]/
鎌田芳幸[東芝]/山崎保範[長野高等工業専門学校]/
増田 修[コニカミノルタテクノロジーセンター]/川端康大[オムロン]/
東 伸一[日造精密研磨]/岡戸 篤, 小野 晃[大同メタル工業]/
南部俊和[日産自動車]/山田順子[帝人ファイバー]/桑原厚司[東レ]/
鈴木弥志雄[日立ハウステック]/福水浩史[INAX]/渡辺孝一[新潟大学]/
後藤博史[東芝機械]/沢田博司[キヤノンマシナリー]
※執筆者の所属、肩書き等は本書発刊当時のものです。
【序文】
固体表面に微細構造を設けることで、光学機能や濡れ性の制御など様々な機能が生ま
れる。クレジットカードのホログラムシール等これらを応用した製品は身の回りに多く
見られ、応用は更に拡大するものとみられる。一方で、これらの微細構造を製作するプ
ロセスは機械加工、ビーム加工から転写加工まで多岐にわたる。加工分解能がマイクロ
メートルの領域は、いわゆるトップダウンプロセス(転写の原理)とボトムアッププロ
セス(自己組織的原理)がオーバーラップする領域であり、どのプロセスが適している
ということが必ずしも決まらず、結果的に、機能と加工プロセスの間の関係が複雑に絡
まってしまい、応用の広がりを阻害していることも懸念される。
これらの関係を体系化しようとする試みは、新潟大学の桝田正美 教授が主査を務めた
(社)日本機械学会の「超微細表面形成およびその機能評価に関する研究分科会」
(1999.5-2001.4)が最初であると筆者は認識している。この分科会終了後、途絶えてし
まったこれらの活動を、筆者が主査を務める(社)精密工学会「微細加工と表面機能分科
会」で再開し、現在も続いている。多様なプロセスをまとめた体系化となると時間も要
すため、今後、専門委員会としての活動の展開が期待されている。
このような状況の中、リアライズAT(株)から本書企画の提案があり、前記の桝田教
授、太田 稔博士(日産自動車(株))および筆者からなる編集委員会でこれを受けることと
した。編集委員会の議論で、加工技術者のみならず下記のような多面的な方々からも参
照できるような書籍にしよう、という方針が議論された。
(1)生産技術者・研究者
(2)表面機能設計者・研究者
(3)製品設計開発者(いわゆるマーケッター)
これを受けて本書の構成は、第1章「表面機能の原理」、第2章「微細加工技術」、第3
章「応用事例」とし、ややもすると前面に出がちな加工技術ではなく、機能設計の基本
的な記述を第1章に据えた。そして、第2章では機械加工やビーム加工などに加え、ボト
ムアッププロセスの例として幾つかの自己組織プロセスを加えた。そして第3章の応用事
例では、多方面の例を集めることで読者に多くの刺激が与えられるように配慮した。
本書が多方面の技術者に対する刺激となり、新たな製品と加工プロセスの開発、ひい
ては体系化のきっかけとなることを期待したい。
2007年4月吉日
諸貫 信行(首都大学東京 教授)
【目次】
第1章表面機能の原理
1.1 光
1.1.1 反射・回折
1.1.2 構造発色
1.2 トライボロジー
1.2.1 機械的摩擦・磨耗
1.3 ぬれ
1.3.1 接着
1.3.2 はっ水
1.4 流れ
1.5 金属腐食
1.6 熱伝達
1.7 生物と伝統材料の自己修復機能
第2章微細加工技術の原理
2.1 除去加工
2.1.1 機械加工・切削
2.1.2 機械加工・研削
2.1.3 イオンビーム
2.1.4 電子ビーム
2.1.5 マイクロ放電加工
2.1.6 レーザー加工
2.1.7 エッチング
2.2 変形加工・転写加工
2.2.1 ナノインプリント
2.2.2 ローラー式ナノインプリント,ナノトランスファー,ナノプレス,インジェク
ションモールディング
2.2.3 LIGAプロセス
2.3 付着加工
2.3.1 めっき技術
2.3.2 コーティング
2.3.3 化学修飾, イムノアッセイ
2.4 自己組織化プロセス
2.4.1 陽極酸化アルミナ
2.4.2 微粒子整列
第3章応用事例紹介
3.1 情報機器
3.1.1 HDD(ナノパターンドメディア)
3.1.2 ディスペンサ(インクジェット)
3.1.3 光ピックアップ
3.1.4 ダブルプリズムとプリズムアレイを集積したリバーシブルライト技術
3.1.5 DVDメディア製作における微細加工技術
3.2 機械装置
3.2.1 真空装置
3.2.2 エンジン用すべり軸受
3.2.3 微細形状の制御によるトラクション性能向上
3.3 繊 維
3.3.1 構造発色の繊維化・塗装への応用
3.3.2 構造発色のテキスタル・ファッションへの応用
3.3.3 砂付着防止性新素材
3.4 住宅機器関連
3.4.1 システムバスの床面(FRP表面の親水化技術)
3.4.2 壁, 床, タイル
3.5 生体・医療
3.5.1 インプラント(生体適合)
3.6 印 刷
3.6.1 ナノインプリント
3.7 その他
3.7.1 フェムト秒レーザーによる周期構造
※本書の内容は, 予告なく変更されることがあります