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RLB222908
In vitro毒性・動態評価の最前線
販売価格(税込):
68,200
円
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Pt
■体裁:B5判、204ページ
■発刊:2013/9
■ISBNコード:978-4-7813-0815-9
■シーエムシー出版
★世界中で動物実験の代替としてin vitro試験法の開発が求められています!
★In silico技術の活用、ES・iPS細胞を用いた手法など、最先端の薬物評価法がここに!
★医薬品業界、化粧品業界、化学品業界の研究開発者必携の一冊!
【監修】
小島肇夫
【著者】
小島肇夫 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部 新規試験法評価室 室長
湯田浩太郎 (株)インシリコデータ 代表取締役社長
櫻谷祐企 (独)製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター 主任
小野敦 国立医薬品食品衛生研究所 総合評価研究室 主任研究官
本間正充 国立医薬品食品衛生研究所 変異遺伝部 部長
柿木基治 エーザイ(株) グローバル薬物動態研究部
斎藤幸一 住友化学(株) 生物環境科学研究所 細胞科学グループ グループマネージャー
井上智彰 中外製薬(株) 研究本部 安全性研究部 主席研究員
水口裕之 大阪大学 大学院薬学研究科 分子生物学分野 教授
高山和雄 大阪大学 大学院薬学研究科 分子生物学分野
川端健二 (独)医薬基盤研究所 幹細胞制御プロジェクト プロジェクトリーダー
金村米博 (独)国立病院機構 大阪医療センター 臨床研究センター 先進医療研究開発部 再生医療研究室 室長;脳神経外科
福田隆之 (独)医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 ヒト幹細胞応用開発室 特任研究員
古江-楠田美保 (独)医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 ヒト幹細胞応用開発室 研究リーダー
田畑泰彦 京都大学 再生医科学研究所 生体材料学分野 教授
松崎典弥 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 助教
明石満 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授
絵野沢伸 国立成育医療研究センター 臨床研究センター 先端医療開発室 室長
竹澤俊明 (独)農業生物資源研究所 動物科学研究領域 上級研究員
益田泰輔 名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 助教
新井史人 名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 教授
中澤浩二 北九州市立大学 国際環境工学部 環境生命工学科 教授
杉浦慎治 (独)産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター 主任研究員
金森敏幸 (独)産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター チーム長
山下伸二 摂南大学 薬学部 教授
岩沢こころ 東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 酒井研究室 研究員
酒井康行 東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 教授
喜多村真治 岡山大学病院 腎臓・糖尿病・内分泌内科 助教
近江谷克裕 (独)産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 研究部門長
香月康宏 鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻 生体機能医工学講座 ; 染色体工学研究センター 助教
大林徹也 鳥取大学 生命機能支援センター 動物資源開発分野 准教授
押村光雄 鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻 生体機能医工学講座;染色体工学研究センター 教授
藤井まき子 昭和薬科大学 薬剤学研究室 准教授
玉井郁巳 金沢大学 医薬保健研究域薬学系 教授
横井毅 名古屋大学 大学院医学系研究科 教授
【刊行にあたって】
昨今、in vitro試験法を毒性や薬効評価に使用するニーズが増しています。この理由として、1)医薬品の開発において、作用機構を基本とした副作用を予想できるバイオマーカー、測定指標に関する研究・開発が進んでいる。2)動物実験の3Rs(Reduction:動物実験の削減,Refinement:実験動物の苦痛の軽減,Replacement:動物実験の置換え)の促進などで動物を使わない動物実験代替法の必要性が謳われている、3)胚性幹細胞(Embryonic stem cells)や人工多能性幹細胞(induced Pluripotent stem cells)を利用した試験法の可能性が増してきたなどが挙げられます。
本書では、これらの分野に関わり、最先端の研究者の方々に執筆をお願いしました。薬物評価におけるIn silico手法の活用、ES・iPS細胞を用いた薬物評価、細胞を取り巻く新規素材の開発、将来性の高い新規の手法、薬物動態解析などにおけるその内容は、日本の高い技術力の表れであると自負しています。
本書を手に取られた研究者がこれらの技術・試験法を利用し、あるいは参考にして、さらなる技術・試験法を開発されることを期待しております。
2013年9月
国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部
新規試験法評価室 室長
小島肇夫
【目次】
【第 I 編 総論】
第1章 動物実験代替法からin vitro 毒性試験へ
1 はじめに
2 代替法の開発が不十分
3 試験法の公定化が進まない
4 適切な試験法の組合せ
5 有害性の同定から、リスク評価へ
6 おわりに
【第 II 編 薬物評価におけるin silico手法の活用】
第1章 In silico予測手法の基本と開発および応用
1 In silico予測手法の基本
1.1 In silicoという言葉につい
1.2 インシリコ予測実施対象分野とその特徴
1.3 インシリコ予測を支える様々な技術や適用手法
1.4 インシリコ予測手法の適用目的と特徴
1.5 インシリコ予測の利点と限界
1.6 インシリコ予測適用特性/分野の違いと手法の違い
1.7 個別手法と適用可能性分野
1.8 化学多変量解析/パターン認識の毒性予測への適用
2 毒性に関するインシリコ予測
2.1 世界におけるインシリコ毒性予測の現状
2.2 毒性(安全性)予測の特徴
3 インシリコ毒性(安全性)予測手法
3.1 化学多変量解析/パターン認識による毒性予測の特徴
3.2 化学多変量解析/パターン認識による毒性予測の流れ
3.2.1 全体的な流れ
3.2.2 予測モデル構築および要因解析部分
3.2.3 予測実施部分
4 インシリコ毒性予測で適用される多変量解析/パターン認識手法
4.1 毒性予測の問題点を克服したインシリコ毒性予測手法の開発
4.2 KY法の種類
4.3 重回帰(フィッティング)KY法
4.4 KYフィッティング適用事例;魚毒性
4.5 化合物とその特性の関係を利用した予測手法:「テーラーメードモデリング」
5 まとめ
第2章 化学物質の安全性予測におけるOECD QSAR Toolboxの活用
1 はじめに
2 QSAR Toolbox開発の背景
3 カテゴリーアプローチ
4 QSAR Toolboxの基本機能
5 今後の展開 ~Adverse Outcome Pathwaysの 開発~
6 有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)
7 まとめ
第3章 化学物質の内分泌かく乱性の予測評価
1 はじめに:化学物質の内分泌かく乱性のin silico評価を取り巻く状況
2 化学物質による内分泌かく乱性のin silico評価
3 エストロゲン受容体結合のin silico評価法
3.1 Comparative Molecular Field Analysis (CoMFA)
3.2 3次元ドッキングモデル
4 OECD QSAR ToolboxによるER結合プロファイリング
5 おわりに
第4章 変異原性の予測―医薬品中に存在する不純物の評価―
1 はじめに
2 ICH-M7ガイドラインの特徴
3 変異原性の評価に用いられる(Q)SARシステム
3.1 経験に基づくルールベースシステム
3.1.1 DEREK
3.1.2 ToxTree
3.1.3 OECD (Q)SAR Toolbox
3.2 統計ベースのQSARシステム
3.2.1 MCASE(MultiCASE/MC4PC)
3.2.2 LSMA
3.2.3 SciQSAR(MDL-QSAR)
3.3 その他のシステム
3.3.1 OASIS/TIMES
4 (Q)SARによる変異原性の予測率
5 (Q)SARによる変異原性不純物の評価
【第 III 編 ES、iPS細胞を用いた薬物評価の手法と可能性】
第1章 薬物動態・毒性研究における細胞アッセイの現状と課題
1 はじめに
2 薬物動態研究における現状と課題
3 毒性研究における現状と課題
第2章 ES細胞を用いた毒性試験法の開発(発生毒性)
1 はじめに
2 ES細胞とiPS細胞
3 EST法(原法)
4 EST法の改良法
5 レポーターアッセイを用いたEST法の開発
5.1 心筋分化マーカー遺伝子を用いた試験法(Hand1-ESTおよびCmya1-EST)
5.2 神経分化マーカー遺伝子を用いた試験法(Reln-EST)
6 おわりに
第3章 ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いたin vitro心毒性評価
1 はじめに
2 ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞の有用性
3 心臓の刺激伝導系
4 ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞の性質
4.1 遺伝子発現、含まれる細胞種
4.2 細胞ドナーの個体差 (遺伝的背景など) による性質の差異
5 心毒性ランキングツールとしてのヒトiPS細胞由来心筋細胞
6 心毒性メカニズムの解析ツールとしてのヒトiPS細胞由来心筋細胞
7 薬剤誘発性致死性不整脈予測ツールとしてのヒトiPS細胞由来心筋細胞
8 おわりに
第4章 ヒトiPS 細胞由来肝細胞を用いた毒性評価
1 はじめに
2 肝細胞の培養
3 ヒト iPS 細胞から肝細胞への分化誘導
3.1 ヒト iPS 細胞から内胚葉への分化誘導
3.2 内胚葉から肝幹前駆細胞への分化
3.3 肝幹前駆細胞から肝細胞への分化・成熟化
3.4 遺伝子導入による肝細胞分化誘導
3.5 三次元培養技術による肝細胞の成熟化
4 iPS 細胞由来肝細胞を用いた薬物毒性評価系の開発
5 おわりに
第5章 iPS細胞を応用したin vitro神経創薬・毒性研究
1 はじめに
2 神経創薬・毒性研究の標準試験法とその問題点
3 In vitro神経創薬・毒性研究の現状と問題点
4 iPS細胞を用いたin vitro神経創薬・毒性研究の優位性
5 iPS細胞を応用したin vitro神経創薬・毒性研究の実施手法
5.1 iPS細胞作製・培養技術
5.2 神経上皮前駆細胞/神経幹細胞への分化誘導技術
5.3 各種神経細胞・グリア細胞作製技術
5.4 iPS細胞由来神経系細胞の細胞機能評価法
6 最後に
第6章 ヒトES、iPS細胞の供給と標準化
1 はじめに
2 ES/iPS細胞の標準化
3 各国における幹細胞バンク
4 ヒトES/iPS細胞レジストリー
5 培養法の開発と標準化
6 求められる標準化
【第 IV 編 新規素材の開発】
第1章 細胞培養におけるバイオマテリアル足場技術 ― 化粧品と創薬研究に向けて ―
1 細胞機能を制御するバイオマテリアル技術
2 バイオマテリアル足場技術を活用した再生研究と創薬研究
3 足場技術を利用した再生研究の未来に向けて
第2章 細胞積層法による脈管構造を有する新しいヒト生体組織モデルの創製
1 はじめに
2 細胞積層法
3 細胞集積法
4 脈管構造を含む皮膚モデルの構築
5 インクジェットプリントを用いた三次元肝組織チップの作製と薬剤毒性評価への応用
6 おわりに
第3章 肝細胞を用いた毒性評価 ―新規素材の動向を中心に―
1 はじめに
2 創薬と肝毒性
3 初代肝細胞の性質
4 培養面に施されるさまざまな加工
5 3次元培養
6 今後
第4章 コラーゲンビトリゲル膜チャンバーを用いたADMET解析に有用な培養システム
1 はじめに
2 生体内の組織・器官における化学物質のADMETを外挿する理想的な培養システム
2.1 生体内の組織・器官を構成する細胞の挙動を制御している環境
2.2 生体内の組織・器官への化学物質の移行経路
2.3 化学物質のADMETを外挿する理想的な培養システムの開発構想
3 コラーゲンビトリゲル膜チャンバーの開発とその特徴
4 ADMET解析に有用なビトリゲル培養モデルとその試験法
4.1 ヒト角膜上皮モデルを用いた眼刺激性試験法(Vitrigel-EIT method)
4.2 ヒト角膜上皮モデルを用いた角膜透過性試験法(Vitrigel-CPT method)
4.3 ヒト肝実質モデルを用いた肝代謝・毒性試験法(Vitrigel-LMTT method)
5 おわりに
第5章 マイクロ・ナノシステムによる三次元組織体の構築
1 はじめに
2 トロイダル形状細胞凝集体形成法
2.1 培養デバイスの作製プロセス
2.2 細胞凝集体の形成
3 積層細胞転写法による管状組織構造体作製
3.1 管状構造体の構築
3.2 積層細胞による管状組織構造体の循環培養
4 おわりに
第6章 スフェロイドアレイ技術と細胞アッセイ
1 はじめに
2 スフェロイドのアレイ化技術
3 スフェロイドアレイを用いた細胞アッセイ
4 おわりに
第7章 マイクロ流体デバイスを用いた細胞アッセイ
1 はじめに
2 灌流培養マイクロチャンバーアレイチップ
3 灌流培養マイクロチャンバーアレイチップによる濃度依存性試験
4 まとめ
【第 V 編 毒性評価の新手法】
第1章 早期探索的臨床試験の現状と課題
1 はじめに
2 早期探索的臨床試験(Exploratory IND試験)の導入
3 ICH-M3(R2)ガイダンスにおける早期探索的臨床試験
4 マイクロドーズ臨床試験
4.1 マイクロドーズ臨床試験に用いる分析手法
4.2 マイクロドーズ臨床試験の問題点
4.3 マイクロドーズ臨床試験実施に向けた活動
5 おわりに
第2章 肺胞モデル評価系の開発と数理モデル
1 はじめに
2 In vivo肺胞表面構造とその再現
2.1 肺の構造と肺胞表面
2.2 肺胞表面の再現 ― ヒト培養肺胞モデル
3 In vitroモデルと数理モデルのリンク
3.1 コンパートメントモデル構築とパラメーター計算
3.2 パラメーター補正によるリスク予測
4 まとめと今後の課題
第3章 成体腎臓幹/前駆細胞を使用した人工腎臓を用いた薬剤の副作用・有効性予測手法
1 はじめに
2 腎臓とは
3 腎毒性・腎疾患とは
4 現在の臨床における腎毒性評価
5 腎臓再生について
6 新たな腎毒性評価法の開発
7 腎毒性評価法の課題
8 最後に
第4章 レポータジーンアッセイ
1 はじめに
2 ルシフェリン・ルシフェラーゼ反応
3 発光甲虫のルシフェラーゼと反応
4 発光甲虫ルシフェラーゼ群によるマルチレポータジーンアッセイ
5 分泌型ルシフェラーゼの多様な遺伝子発現解析法
6 イメージング法によるシングル遺伝子発現解析法
7 おわりに
第5章 安定遺伝子導入のためのヒトおよびマウス人工染色体ベクター
1 はじめに
2 HACベクターとは
3 HACベクターへの遺伝子搭載法
4 MACベクターとは
5 HAC/MACベクターを用いた毒性・代謝研究の応用例
5.1 ヒトCYP3A4発現Caco-2細胞
5.2 ヒトCYP3A遺伝子クラスターゲノム導入マウス
5.3 マルチレポーターシステムによる細胞・動物評価システム
6 おわりに
【第 VI 編 薬物動態解析】
第1章 皮膚透過試験と薬物動態解析
1 はじめに
2 皮膚に適用された薬物の運命
3 皮膚透過速度に影響する因子
3.1 皮膚透過速度
3.2 薬物の性質
3.3 適用方法
3.4 モデル皮膚
4 まとめ
第2章 薬物トランスポーター
1 はじめに
2 トランスポーターの特徴
2.1 発現組織
2.2 膜輸送の極性
2.3 基質認識性
2.4 種差
2.5 生理的トランスポーターと薬物トランスポ-タ-
3 薬物トランスポーターの創薬への利用
4 薬物トランスポ-タ-の課題:相互作用
5 おわりに
第3章 薬物代謝反応、代謝酵素の多様性と薬物相互作用の予測
1 はじめに
2 ヒト組織や細胞を代替するin vitro分析系
2.1 ヒト薬物代謝酵素の発現系の利用
2.1.1 酵母を用いた発現系
2.1.2 大腸菌を用いた発現系
2.1.3 昆虫細胞を用いた発現系
2.1.4 哺乳動物細胞を用いた発現系
2.1.5 発現系酵素の比較と利用
2.2 不死化ヒト肝細胞やヒト化マウス由来細胞等の利用
2.2.1 HepaRG細胞
2.2.2 Fa2N-4細胞
2.2.3 ヒト肝細胞キメラマウス
2.2.4 CYP3A-HAC/KOマウス
2.2.5 ヒトiPS細胞由来肝細胞
3 おわりに