商品コード: RLB222724

次世代光医療―レーザー技術の臨床への橋渡し―

販売価格(税込): 71,500
ポイント: 0 Pt
■体裁:B5判、252ページ
■発刊:2010/11
■ISBNコード:978-4-7813-0256-0
■シーエムシー出版

★ レーザー発振50年,医療分野における第一線の研究者,医師,技術者による執筆
★ レーザー治療の各分野の最新技術と機器情報を網羅


【著者】
粟津邦男   大阪大学 大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 量子エネルギー工学講座 教授
興 雄司   九州大学 大学院システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門 准教授
松浦祐司   東北大学 大学院医工学研究科 教授
間 久直   大阪大学 大学院工学研究科 附属高度人材育成センター 助教
澤田 修   滋賀医科大学 医学部 医学科 眼科学講座 助教
大路正人   滋賀医科大学 医学部 医学科 眼科学講座 教授
加藤純二   東京医科歯科大学大学院 摂食機能保存学講座 う蝕制御学分野 講師
岡田昌義   国際先端総合医学研究所 所長;神戸循環器クリニック 院長;兵庫大学 健康科学部 教授
渡辺晋一   帝京大学 医学部 皮膚科 主任教授
市川広太   東海大学 医学部 外科学系形成外科 講師
宮坂宗男   東海大学 医学部 外科学系形成外科 教授
岩村正嗣   北里大学 医学部 泌尿器科 准教授
馬場志郎   北里大学 医学部 泌尿器科 教授
池田勝久   順天堂大学 医学部 耳鼻咽喉科学教室 主任教授
奥仲哲弥   国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授;山王病院 副院長 呼吸器センター長
臼田実男   東京医科大学 第一外科 講師
三好憲雄   福井大学 医学部 腫瘍病理学領域 助教
伊藤慎治   福井大学 医学部 腫瘍病理学領域
福永幸裕   福井大学 医学部 腫瘍病理学領域
木下英荘   福井総合病院 歯科口腔外科
岩月幸一   大阪大学 脳神経外科 講師
梶本宜永   大阪医科大学 脳神経外科 講師
櫛引俊宏   大阪大学 大学院工学研究科;科学技術振興機構さきがけ「光の創成・操作と展開」;Massachusetts General Hospital;Harvard Medical School
石井克典   大阪大学 大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 量子エネルギー工学専攻 量子ビーム応用工学領域 助教 
松村耕治   防衛医科大学校 共同利用研究施設
石原美弥   防衛医科大学校 医用工学講座 准教授 
近江雅人   大阪大学 大学院医学系研究科 保健学専攻 助教
橋新裕一   近畿大学 大学院総合理工学研究科 東大阪モノづくり専攻 准教授
鈴木由香   (独)医薬品医療機器総合機構 医療機器審査第一部 部長
菊地克史   東北大学 未来医工学治療開発センター 審査・評価部門長 
黒川良望   東北大学 未来医工学治療開発センター 教授  
岡上吉秀   (株)モリタ製作所 レーザー開発部 部長

【序文】
 Laser発振50周年の今年あちこちで記念イベントが開かれている。
 レーザーは発明された翌年から眼科や歯科での応用が試みられ,その後新しいレーザー光源が世に出ると,その特徴を活かした治療法の開発が進み,現在では多診療科において幅広く用いられている。ただ,昨今のレーザー・光科学の急速な進歩に対し,この恩恵を臨床での光医療が被るには,残念ながら数年以上のタイムラグがあると言っても過言ではない。
 レーザーを中心とした光医療をさらに優れた診断・治療法と位置づけると共に開発タイムラグを短くするには,対象となる生体組織とレーザーとの相互作用に対する基礎的検討とその結果を生かす治療法の開発,迅速なデバイス開発などが喫緊の課題である。
 そのような状況の中,本書「次世代光医療」を執筆・刊行することとなった。各分野のリーディング研究者による渾身の執筆のおかげで,2010年時に近未来として望める次世代光医療を俯瞰するにふさわしい幅広く深い内容となった。既にこの分野で活躍の方,また今後,光診断・治療を研究・ビジネス等の対象とされる方にお読みいただければ幸いである。
(「巻頭言」より抜粋)
2010年11月  大阪大学 粟津邦男

【目次】

【第1編 医療におけるレーザー利用の基礎】
第1章 医療用レーザー(興雄司)

1. 医療用レーザー
1.1 紫外領域
1.2 青色-青緑色領域
1.3 緑領域
1.4 黄・オレンジ領域
1.5 赤領域
1.6 近赤外域
1.7 中赤外域・遠赤外域
1.8 最後に

第2章 医療用導光システムの技術(松浦祐司)
1. 石英ガラス光ファイバ
2. 赤外光伝送用ファイバ
2.1 酸化物・フッ化物ガラスファイバ
2.2 カルコゲナイドガラスファイバ
2.3 多結晶ファイバ
3. 中空光ファイバ
4. 光ファイバを利用した先端光学素子

第3章 光と生体組織との相互作用(粟津邦男、間久直)
1. はじめに
2. 生体組織の特性を示すパラメーター
2.1 光学的特性
2.2 熱的特性
2.3 機械的特性
3. 光照射条件を表すためのパラメーター
4. 熱的相互作用と機械的相互作用
4.1 熱的相互作用
4.2 機械的相互作用
5. 相互作用の制御

【第2編 分野別レーザー治療】
第4章 眼科における診断・治療(澤田修、大路正人)

1. はじめに
2. 角膜のレーザー診断機器
2.1 IOLマスター(Carl Zeiss社)
2.2 波面センサー
2.3 Visante OCT(Carl Zeiss社)
2.4 Heidelberg Retina Tomograph II Rostock-cornea-module:HRT-II(Heidelberg Engineering社)
3. 角膜のレーザー治療機器
3.1 治療的レーザー角膜切除術
3.2 レーザー角膜内切削形成術)
3.3 フェムトセカンドレーザー
4. 網膜のレーザー診断機器
4.1 走査レーザー検眼鏡
5. 網膜のレーザー治療機器
5.1 レーザー網膜光凝固
5.2 マイクロパルスレーザー
5.3 パスカルレーザー(OptiMedica社)
5.4 光線力学療法 
6. 緑内障のレーザー治療機器
6.1 レーザー虹彩切開術
6.2 選択的レーザー線維柱帯形成術
6.3 レーザー毛様体破壊術
7. おわりに

第5章 歯科におけるレーザー治療の現状(加藤純二)
1. はじめに
2. 現在使用されている歯科用レーザーの機種
3. 臨床における歯科用レーザーの応用
3.1 レーザーメスとしての口腔外科手術への応用
3.2 レーザーによる齲食予防
3.3 レーザーによる歯の切削
3.4 レーザーの歯周病への応用
3.5 レーザーの歯髄処置への応用
3.6 レーザーによる疼痛緩和
3.7 レーザーによる齲食診断
3.8 レーザーによる溶接
4. 波長とパワー密度からみた歯科用レーザーの使用法
5. まとめ

第6章 循環器疾患に対するレーザー治療の有用性とその対策(岡田昌義)
1. はじめに
2. 末期的虚血性心疾患に対するレーザーの応用
2.1 心筋の微小循環と心筋内貫通孔との関係
2.2 心筋内貫通孔の作成法
2.3 心筋内貫通孔の組織反応
2.4 心筋内貫通孔と心筋内圧、左室内圧との関係
2.5 心筋梗塞作成後と心筋内貫通孔作成後の心筋血液量と血清酵素の比較
2.6 心筋梗塞作成後と心筋内貫通孔作成後のマクロの変化について
2.7 心筋貫通孔の長期開存性について
2.8 心筋内貫通孔の臨床応用
3. 細小血管に対するレーザーによる血管吻合法
3.1 レーザーによる血管縫合の目的とその理論
3.2 レーザーエネルギーの条件と血管壁との反応
3.3 レーザーによる血管縫合法
3.4 血管縫合部の組織所見とその強度
3.5 レーザー血管縫合の臨床応用
4. レーザーによる血管内治療について
4.1 レーザーの条件と組織的所見
4.2 レーザー血管形成術の方法とその要点
4.3 血管形成術の臨床応用
5. おわりに

第7章 皮膚科医がおこなうレーザー治療(渡辺晋一)
1. 皮膚科におけるレーザー治療の分類
2. Selective photothermolysis(SP)とは
2.1 波長
2.2 照射エネルギー
3. レーザー治療機器
4. 色素性皮膚病変に対するレーザー治療
4.1 メラニンなどの色素が真皮に増加している病変
4.1.1 入れ墨
4.2 メラニンが表皮内に増加している病変
5. 血管腫(赤あざ)
5.1 単純性血管腫
5.2 イチゴ状血管腫
6. レーザー(光)脱毛
7. レザーによる皮膚の若返り(skin rejuvination)
7.1 Photoablation
7.2 Nonablative laser
7.3 Fractional laser skin resurfacing
8. レーザーメス

第8章 形成・美容皮膚科におけるレーザー治療(市川広太、宮坂宗男)
1. はじめに
2. 総論
2.1 レーザーおよび関連機器の種類と選択
2.2 レーザー治療の安全管理
2.3 皮膚レーザー治療に共通する基本事項
2.4 合併症と禁忌
2.5 市場の動向と将来の潮流
3. 治療各論
3.1 Abrativeレーザーリサーフェシング
3.2 皮膚若返り、nonabrativeなリサーフェシング
3.3 脱毛
3.4 シミ
3.5 ホクロ、皮膚腫瘍
3.6 毛細血管拡張症、下肢静脈瘤
3.7 肥厚性瘢痕、皮膚線状
3.8 脂肪
3.9 刺青
3.10 白斑
3.11 ニキビ
3.12 発毛
4. おわりに

第9章 泌尿器科におけるレーザー治療(岩村正嗣、馬場志郎)
1. 泌尿器科領域におけるレーザー治療の歴史
2. 泌尿器科領域におけるレーザー治療の歴史
2.1 Nd:YAGレーザー
2.2 KTPレーザー
2.3 Ho:YAGレーザー
2.4 ダイオードレーザー
2.5 CO2レーザー
3. 主な泌尿器科疾患に対するレーザー治療の現状
3.1 前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia、BPH)
3.2 尿路結石に対するレーザー破砕術
3.3 尿道および尿管狭窄に対する内視鏡的切開術
3.4 尿路上皮癌のレーザー治療
4. 新たなレーザー
4.1 Frequency doubled double-pulse Nd:YAG(FREDDY)レーザー
4.2 Erbilium(Er):YAGレーザー
4.3 Thuliumファイバーレーザー
5. 将来展望

第10章 耳鼻咽喉科・頭頸部外科におけるレーザー治療(池田勝久)
1. はじめに
2. 耳科領域
3. 鼻副鼻腔領域
4. 咽頭領域
5. 喉頭領域
6. 頭頸部癌
7. 近未来・次世代のレーザー医療

【第3編 応用と新展開】
第11章 光線力学療法(PDT)の適応拡大と将来(奥仲哲弥、臼田実男)

1. はじめに
2. PDTの歴史と許認可について
3. 光線力学的治療とは
3.1 光感受性物質
3.2 レーザー装置
3.3 治療方法
3.4 メカニズムの解析
4. 認可されている四腫瘍の適応拡大への現状と課題
4.1 肺癌に対するPDT
4.2 早期食道癌に対するPDT
4.3 早期胃癌に対するPDT
4.4 早期子宮頚部癌に対するPDT
5. その他の腫瘍への適応拡大
6. 癌以外での適応拡大
7. おわりに

第12章 利用拡大を目指した5-ALAを用いたがんのPDD・PDT(三好憲雄、伊藤慎治、福永幸裕、木下英荘)
1. はじめに
2. PDT用レーザー製造の危機的状況
3. 5-ALAがなぜ有望か?
4. 今後の光線力学治療法で今後改善できるもの

第13章 腰椎間板ヘルニアのレーザー治療(岩月幸一)

第14章 脳神経外科のレーザーなどの光診断と治療(梶本宜永)
1. はじめに
2. 脳神経外科領域におけるPDD
2.1 蛍光手術顕微鏡の開発
2.2 各種蛍光色素とその適応
2.3 5-ALAによる蛍光ガイド下手術
2.4 悪性神経膠腫以外の腫瘍
3. 脳神経外科領域におけるPDT
3.1 バイナリー治療としてのPDT
3.2 脳腫瘍のPDTの歴史
3.3 各種の光感受性物質
4.  ALA-PDT
4.1 Leserphyrin(Talaporfin sodium)PDT

第15章 光がおよぼす細胞作用―低出力レーザーによる細胞増殖効果―(櫛引俊宏)
1. 細胞内光受容体
1.1 チトクロム c オキシダーゼ(Cytochrome c oxidase)
1.2 ポルフィリン
1.3 フラボタンパク質(フラビンタンパク質)
1.4 その他
2. 光照射後の細胞内シグナルカスケード
2.1 酸化還元経路
2.2 転写因子
2.3 細胞増殖に関するセルシグナリング
3. おわりに

第16章 生体分子振動領域での新しいレーザー診断・治療(石井克典、粟津邦男)
1. 分子振動と中赤外波長
2. 分子振動領域での臨床・研究例
2.1 Ho:YAGレーザー
2.2 Er、Cr:YSGGレーザー
2.3 CO2レーザー
2.4 Er:YAGレーザー
3. 分子振動領域での選択的治療に向けた研究の動向
3.1 波長5.75mを用いた動脈硬化治療
3.2 波長6.02mを用いたう蝕除去治療
3.3 波長10.6mを用いた内視鏡的消化器がん治療
3.4 波長6m帯を用いた新規レーザーメス

第17章 再生医療の実現に貢献するレーザー・光技術(松村耕治、石原美弥) 
1. はじめに
2. フローサイトメトリーの再生医療への応用
3. 光音響法の再生医療への応用
4. 分子イメージングの再生医療への応用
5. おわりに

第18章 光イメージング・OCT(近江雅人)
1. はじめに
2. OCTのイメージング光学系と基本特性
3. OCTによる医療診断
4. 高分解能OCT 
5. 高速OCT
6. OCTの生理学分野への応用
7. 今後の展望

【第4編 安全の確保とその対策】
第19章 医用レーザーの安全(橋新裕一)

1. はじめに
2. 安全・安心の基本
3. 光・レーザーの性質・特徴
3.1 直進性・平行性
3.2 単色性
3.3 高集光性・高出力性
3.4 高干渉性
4. 光・レーザーと生体との相互作用
4.1 光・レーザーと物質との相互作用
4.2 光・レーザーと眼球との相互作用
4.3 レーザーパワー・エネルギー、照射時間の影響
5. 光・レーザーによるヒヤリハット・事故例
6. 光・レーザーの安全対策

第20章 レーザー医療におけるレギュラトリーサイエンス(鈴木由香、菊地克史、黒川良望)
1. はじめに
2. 医療機器の規制について
3. 承認審査について
4. レーザ医療機器における承認審査関連の基準と安全性評価
4.1 レーザ医療機器に関する承認基準
4.2 レーザ手術装置に関する通知
4.3 レーザの安全性に関する国際規格
4.4 その他、参考となるガイドライン等
4.5 基準適用外のレーザ医療機器
5. 市販後の安全管理について
6. 課題

【第5編 機器・装置】
第21章 歯科レーザー装置(岡上吉秀)

1. はじめに
2. 歯科用レーザーの現状
2.1 Nd:YAGレーザー
2.2 半導体レーザー
2.3 炭酸ガスレーザー
2.4 Er:YAGレーザー
3. 歯周病治療への応用
4. これからの歯科用レーザー装置

第22章 自由電子レーザー装置の応用・用途(間久直)
1. 自由電子レーザーとは
2. 自由電子レーザーの原理
3. 自由電子レーザー装置
4. 自由電子レーザーの応用・用途
5. まとめ
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