商品コード:
RLB222751
リアルタイム計測による生命現象の解析
販売価格(税込):
33,000
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■体裁:B5判・153ページ
■発刊:2011/3
■ISBNコード:978-4-7813-0319-2
■シーエムシー出版
【監修】
村田静昭
【著者】
村田静昭 名古屋大学 大学院環境学研究科 教授
中島正博 名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノメカトロニクス研究センター 助教
福田敏男 名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノメカトロニクス研究センター;同大学 同研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 教授
アハマド モハマド リズワン Technological University of Malaysia Department of Electronic Engineerings Lecturer
新井史人 名古屋大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノシステム工学専攻 教授
細川陽一郎 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 特任准教授
飯野敬矩 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 博士後期課程
望山 洋 筑波大学 システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 准教授
白土勇輝 筑波大学 システム情報工学研究科 知能機能システム専攻 前期博士課程
小林尚登 法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 教授
樹野淳也 近畿大学 工学部 機械工学科 准教授
河合宏之 金沢工業大学 工学部 ロボティクス学科 准教授
田中耕一郎 京都大学 物質―細胞統合システム拠点 教授
桂 進司 群馬大学 大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 教授
大重真彦 群馬大学 大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 准教授
秋田谷龍男 名城大学 薬学部 准教授
櫨本紀夫 名古屋市立大学 大学院薬学研究科 准教授
牧田直子 四日市大学 環境情報学部 准教授
中井 唱 鳥取大学 大学院工学研究科 機械宇宙工学専攻 助教
湊元幹太 三重大学 大学院工学研究科 講師
吉村哲郎 三重大学 大学院工学研究科 特任教授;(株)リポソーム工学研究所 代表取締役;(財)名古屋産業科学研究所 上席研究員
本田文江 法政大学 工学部 生命機能学科 教授
ジンチェンコ アナトーリ 名古屋大学 大学院環境学研究科 准教授
鎌田宏幸 名古屋大学 大学院環境学研究科 博士前期課程
杉浦忠男 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授
久保康児 名古屋大学 情報文化学部 情報科学研究科
【刊行にあたって】
近年提唱されている一分子生物学は,これまでの研究のように対象を集団(個体・細胞・分子)として捉えその平均値として考察する手法を脱却することで,今まで理解し得なかった生命の基本単位における新たな知見を導き出した。この成果の背景には,目覚ましい機器の発展と新実験手法の創出とがある。今や私達は,基本単位である細胞や核などまさに生命のその場所に立って,1個の物質が機能して生命活動を生み出しているダイナミズムを垣間見ることができる入口に差し掛かっている。本書は,このような研究に必要不可欠な諸分野について,細胞や物質にストレスをかけることなく,生命のその場におけるありのままの姿や挙動を解明するための研究技術の革新について紹介することで,生命への新たな科学的アプローチを提案する。
【目次】
第1章 生命現象解明のためのさらなるステップへ向けて―その場生物学へのアプローチ―(村田静昭)
第2章 環境制御型電子顕微鏡内ナノマニピュレーション技術(中島正博,福田敏男,アハマド モハマド リズワン)
2.1 はじめに
2.2 マイクロ・ナノマニピュレーション技術
2.3 環境制御型電子顕微鏡内ナノマニピュレーションシステムと単一細胞解析への応用
2.4 マイクロ・ナノマニピュレーション技術の生命理工学における将来展望
第3章 マイクロ流体チップを用いた細胞の「その場」解析技術(新井史人)
3.1 はじめに
3.2 オンチップ細胞応答計測システムの必要性
3.3 微細操作技術の分類と現状
3.4 マイクロ流体チップを利用した要素技術
3.5 オンチップ細胞応答計測の事例紹介
3.5.1 感温性高分子ゲルを用いた細胞固定とオンチップ培養
3.5.2 光ピンセットを用いた細胞の位置決めと固定
3.5.3 光硬化性樹脂を用いた細胞のその場固定とオンチップ培養
3.5.4 垂直半透膜のその場造形と細胞応答計測
3.5.5 細胞内外の環境計測ツール
3.5.6 単一ウイルス操作による特定細胞への感染と応答計測
3.5.7 細胞の機械特性計測と評価
3.5.8 細胞伸展培養による分化の活性評価
3.6 おわりに
第4章 フェムト秒レーザー誘起衝撃力を利用した細胞接着力の非接触計測(細川陽一郎,飯野敬矩)
4.1 はじめに
4.2 フェムト秒レーザー誘起衝撃力に誘起されるAFM探針の振動
4.3 AFM探針に加わる衝撃力の幾何学モデル
4.4 球形細胞に加わる力の解析
4.5 おわりに
第5章 マスタ・スレーブ型マイクロマニピュレーション(望山 洋,白土勇輝,小林尚登,樹野淳也,河合宏之)
5.1 はじめに
5.1.1 マスタ・スレーブ型マイクロマニピュレーションの存在意義
5.1.2 現状と課題
5.1.3 本稿の内容と構成
5.2 システムの基本構成と有効活用
5.2.1 マイクロマニピュレータの基本構成
5.2.2 2×2=4 自由度の同時利用
5.2.3 接触情報のフィードバック
5.3 ロボティックストロー
5.3.1 ストローによる単離作業
5.3.2 マイクロストローの力学
5.3.3 ストローのロボット化
5.3.4 システム機能の定式化
5.4 微生物単離作業
5.4.1 実験方法
5.4.2 実験結果
5.5 おわりに
第6章 高出力テラヘルツ光源を用いた新しい分光法・イメージング手法(田中耕一郎)
6.1 はじめに
6.2 全反射分光法の開拓
6.2.1 テラヘルツ時間領域分光の概略
6.2.2 全反射テラヘルツ時間領域分光
6.3 水のテラヘルツ分光
6.4 水溶液のテラヘルツ分光
6.5 おわりに
第7章 DNA代謝反応の1分子観察とDNA分子の形態制御技術(桂 進司,大重真彦)
7.1 はじめに
7.1.1 統計的な平均
7.1.2 DNAの形態変動の特徴
7.2 DNA分子の選択的な固定化技術と形態制御技術
7.2.1 誘電泳動法による伸張操作
7.2.2 光ピンセット法を用いた伸張操作
7.2.3 末端固定化技術と流れまたは電界による伸張操作
7.2.4 界面移動による伸張操作
7.3 蛍光標識法
7.3.1 蛍光タンパク質との融合タンパク質
7.3.2 保護による化学修飾法
7.4 DNA形態が活性に与える影響の解析
7.5 結言
第8章 細胞内環境因子がコントロールするゲノムDNAの高次構造ダイナミクス(秋田谷龍男,櫨本紀夫,牧田直子)
8.1 はじめに
8.2 DNAとの相互作用の強さとDNA鎖内単分子折り畳みのOn/Off性
8.3 塩基性ポリペプチドを用いた遺伝子導入
8.4 高濃度アルブミンがDNA分子の高次構造に及ぼす影響
第9章 ナノイメージングから得られる物理的側面―クロマチンの原子間力顕微鏡観察を通じて―(中井 唱)
9.1 ゲノムの階層構造
9.2 クロマチンの再構成
9.3 観察方法
9.4 観察結果
9.5 ヌクレオソーム間相互作用を測る―見るだけではもったいない―
9.6 相分離構造の理論的考察
9.7 おわりに
第10章 タンパク質研究における巨大リポソームの利用法(湊元幹太,吉村哲郎)
10.1 はじめに
10.2 リポソーム(liposome)
10.3 巨大プロテオリポソーム(giant proteoliposome)
10.4 組換えバキュロウイルスを用いたプロテオリポソーム作製法と利用
10.5 おわりに
第11章 インフルエンザウイルス感染増殖機構の解析(本田文江)
11.1 ウイルスについて
11.2 インフルエンザウイルスについて
11.3 インフルエンザウイルスの細胞への侵入とウイルスゲノムの転写・複製
11.4 インフルエンザウイルスと相互作用する宿主タンパク質局在の観察
11.5 インフルエンザウイルス感染による宿主タンパク質の発現誘導の顕微鏡的解析
11.6 インフルエンザウイルスの動きを蛍光顕微鏡で観察
第12章バイオ世界における自己組織化を利用したナノ構造・鋳型技術の進展(ジンチェンコ アナトーリ,鎌田宏幸)
12.1 はじめに
12.2 バイオテンプレート法とバイオテンプレートの多様性
12.3 自己組織化とテンプレート法の融合による2次元・3次元ナノアレイの構築
12.4 おわりに
第13章 細胞の硬さを測る細胞触診技術(杉浦忠男)
13.1 はじめに
13.2 細胞の力学的構造
13.3 光ピンセットを用いた細胞触診法
13.3.1 光ピンセットの原理
13.3.2 光ピンセットによる力印加と力計測方法
13.3.3 細胞触診装置
13.3.4 測定結果の一例
13.4 細胞触診による細胞の評価
13.5 おわりに
第14章 光ピンセットによる遺伝子及び細胞の非修飾直接操作(久保康児)
14.1 はじめに
14.2 光ピンセット
14.3 ゲノムDNAの非修飾直接操作
14.4 遺伝子導入操作
14.5 細胞の立体操作
14.6 まとめ
索引