商品コード: RLB100185

鉛フリーはんだ技術・実践ハンドブック

販売価格(税込): 36,300
ポイント: 0 Pt
■体裁:A5判、253頁
■発刊:2000年7月
■ISBNコード:
※オンデマンド印刷版となります為、掲載画像とお届けする商品の表紙デザインは異なります。ご了承ください。
なお、本文内容の変更はございません。

【編集委員長】
菅沼克昭 大阪大学

【編集委員】
谷口芳邦 ソニー
中村喜一 TDK

【執筆者】
高橋 義之/ 宇都宮大学 菅沼 克昭/ 大阪大学 多田 盛/ 千住金属工業田中 浩和, 吉原佐知雄/ 宇都宮大学, 宇都宮大学
苅谷 義治, 大塚 正久/ 芝浦工業大学, 芝浦工業大学 谷口 芳邦/ ソニー 縄舟 秀美/ 甲南大学 長谷川永悦/ 千住金属工業
中村 秀樹/ 千住金属工業 上谷 孝司/ 白光 気賀 智也/ ソニー 河野 英一/ 日本電気 山岸 康男/ 富士通研究所
関戸 達哉/ 日産自動車 森山 正人/ 本田技術研究所 竹内 誠/ 日本ビクター 平野 正夫/ オムロン 那和 一成/ ノキア・ジャパン
Ken Snowdon, C.G. Tanner/ Nortel Networks/E. de Kluizenaar, P.Langeveld, N. van V Philips Electronics CFT
須賀 唯知/ 東京大学

※執筆者の所属等は、刊行当時のものです。

【概要】
高周波(1GHz~30GHz)の電子回路を扱うには低周波とひと味違う考え方が必要です。低周波ではオームの法則で電圧を算出しますが, 高周波では信号成分の到達時間が場所によって異なるので, 低周波の要領で計算した値は実測値に合いません。いわゆる伝達理論を使わなければならないのです。
また, トランジスタ増幅回路でトランジスタの特性を表すとき, 例えばhパラメータを使いますが, 高周波で不具合です。それはhパラメータを測るとき, 例えばトランジスタの端子を開放しますが, 高周波になると開放状態にすることがたいへん困難だからです。従って, その必要のないSパラメータを使わなければならなりません。
本書では, このような高周波の増幅回路の基礎を述べ, その設計手法がわかるところまでご案内しようとしています。読み手の専門知識の有無にこだわらないで, 無くてもわかるように心がけました。すなわち, 高周波が初めての方のために, 章や節のはじめに約10行程度のイントロふうのことばを書きました。ですから, 高周波という言葉におそれを抱かずに読み進むことができるでしょう。
現場のリーダーの方には, メンバーに仕事を指示する前にメンバーがあらかじめ予習しておくことができるように記述してみました。ですから, 例えば, 仕事の指示の話で前置き的解説の時間が節約できることでしょう。
部長職にある方には, 高周波増幅の概念が具体例を通して会得できますから, 例えば企画の見通しがたてやすくなり, ご判断に役立つことでしょう。

本書の特色をまとめますと, 以下のようになります。
(1)高周波回路ですから, 実際の測定に適した反射係数および散乱パラメータ(Sパラメータ)を中心とする記述に心がけています。
(2)高周波増幅回路では, 例えば, 負荷とトランジスタ間を伝送線路で接続しますが, 一般的には, 3者ともそのインピーダンスが複素数なので, 3個のインピーダンスのどのインピーダンスを基準として解析あるいは設計するかが問題となります。本書では, 特性インピーダンスが純抵抗(=Z0)の線路で接続する観点から, Z0が基準という立場を明確にして述べています。いわゆる, Z0ベースで述べています。
(3)利得の式を求めるとき, 他の書物では, シグナルフローグラフの理論が使われています。これに対して, 本書では, 信号源の等価回路として進行波形等価回路を提案し, この等価回路を用いることによって, 連立方程式の解から利得の式を導出しています。
(4)高周波増幅回路の基礎と実際が見えるようにという立場から, 使用中心周波数での増幅回路の設計手法をよく理解でき, 利用できるように述べています。
本書の発刊に関しましては, リアライズ社の首脳のかたに原稿の遅延で大変ご迷惑をおかけしました。本書の発刊にご関心をお寄せいただきました皆様, ならびに, 同社の皆様に心からお詫びいたします。企画時から刊行のときに至るまでを振り返り, リアライズ社の相澤孝美部長, ならびに, 皆様に深く感謝します。

【目次】

第1章 鉛フリーはんだ付けの背景   
1.1 はんだの鉛フリー化の背景   
1.2 法規制の動向   
1.3 鉛フリー化に必要なはんだ特性   
1.4 各国の鉛フリーはんだ開発動向   
1.はじめに   
2.米国   
2.1 NCMSプロジェクト   
2.2 NEMI鉛フリーはんだプロジェクト   
(NEMI Task Force on Lead-Free Soldering)   
3.欧州のプロジェクト   
3.1 IDEALSプロジェクト(BRITE/EURAM95/1994)   
3.2 英国の調査研究   
4.日本国内の研究プロジェクト   
5.今後

第2章 鉛フリーはんだの基礎物性   
1.Sn-Pb系はんだ   
1.1 Sn-Pb系はんだの種類   
1.2 Sn-Pb系はんだの組織   
1.3 Sn-Pb系はんだの熱・機械的特性   
1.4 低温はんだ   
1.5 高温はんだ   
1.6 高強度はんだ   
2.鉛フリーはんだ   
2.1 鉛フリーはんだの種類と特徴比較   
2.2 各種鉛フリーはんだ

第3章 接続界面の特性と評価   
3.1 ぬれ性   
1.メニスコグラフによるSn-Pb系とSn-Ag-Cu系のぬれ時間の比較   
2.鉛フリーはんだのスルホール基板によるフローアップ性   
3.ぬれ広がり試験法   
3.2 鉛フリーはんだ接続の界面組織   
1.はじめに   
2.鉛フリーはんだとCuとの界面反応   
3.鉛フリーはんだとCuとの界面組織   
4.Sn-Zn系はんだとCuとの界面組織   
5.Fe, Niとの界面反応   
6.理想的なはんだ接続界面組織   
3.3 電気接続信頼性(マイグレーション, 絶縁, 評価方法)   
1.はじめに   
2.はんだ接合部の絶縁劣化とイオンマイグレーション   
3.絶縁信頼性評価方法   
4.QCM法による鉛フリーはんだの絶縁性評価事例   
5.おわりに   
3.4 接続界面強度と評価方法   
1.はじめに   
2.接合体の継手強度評価法   
3.ラップシェアジョイントを用いた鉛フリーはんだ接合体の静的強度   
4.QFPリード/はんだ接合部の強度   
5.接続強度評価の今後   
3.5 接続界面の信頼性(鉛フリーはんだの動的信頼性)   
1.はじめに   
2.はんだ材料の疲労試験   
2.1 ひずみ範囲の影響   
2.2 疲労-クリープ相互作用下における寿命評価   
3.QFPリード/鉛フリーはんだ接合部の熱疲労   
3.1 プルテストによるQFPリード/鉛フリーはんだ接合部の熱疲労損傷評価   
3.2 QFPリード/はんだ接合部の熱疲労損傷過程   
4.疲労寿命評価における今後の課題   
3.6 リフトオフの発生メカニズムと抑制策   
1.リフトオフの概要   
2.リフトオフ発生の組織的特徴   
3.リフトオフ発生に及ぼすその他の因子   
4.Bi添加合金の凝固シミュレーションとリフトオフ発生メカニズム   
5.Sn-Pbめっき部品で生じるリフトオフ   
6.リフトオフの対策とまとめ   
3.7 電極めっきと鉛フリーはんだ   
1.めっき組成と鉛フリーはんだの組み合わせによる接合への影響   
2.リード部品等のPbの混入による影響   
3.QFPリード部品等のPbの混入による影響   
4.BGA, CSP等ボール電極部品等のPbの混入による影響   
5.部品電極の鉛フリー化

第4章 鉛フリーはんだ対応部品と表面処理   
1.はじめに   
2.鉛フリー合金めっきの基本的原理   
2.1 単純塩浴からの合金の析出   
2.2 錯体浴からの合金の析出   
2.3 表面吸着を利用する合金の析出   
3.鉛フリーはんだめっきの種類   
3.1 Sn-Ag合金めっき   
3.1.1 L-酒石酸錯体浴(中性浴)   
3.1.2 メタンスルホン酸浴(酸性浴)   
3.2 Sn-Cu合金めっき   
3.3 Sn-Bi合金めっき   
4.鉛フリーはんだとめっきとのぬれ性   
4.1 Sn-Ag合金めっき   
4.2 Sn-Cu合金めっき   
4.3 Sn-Bi合金めっき   
5.ウィスカ   
5.1 SnおよびSn-Bi合金めっき   
5.2 Sn-Ag合金めっき   
5.3 Sn-Cu合金めっき   
6.おわりに 
  
第5章 鉛フリーはんだ付けプロセスと設備の課題と対応   
5.1 リフローソルダリングの課題と対策   
1.鉛フリー・リフローはんだ付けの課題と対策   
1.1 リフロー炉の温度バラツキ   
1.2 Pbの混入   
1.3 ぬれにくさ   
1.4 チップ立ち   
1.5 セルフアライメントの低下   
2.リフロープロファイル   
5.2 フローはんだ付けの課題と対策   
1.装置メーカの開発動向   
2.はんだぬれ上がりについて   
2.1 フローアップ実験   
2.2 フローアップ実験結果   
2.3 はんだぬれ上がりの課題と対応   
3.リフトオフとフィレット表面の荒れについて   
3.1 リフトオフ実験   
3.2 リフトオフ実験結果   
3.3 リフトオフの課題と対応   
3.4 フィレット表面の荒れの観察   
4.フローソルダリング装置について   
5.3 手はんだ付けの課題と対応   
1.はんだごての構成   
2.はんだごてによるはんだ付けの問題点   
3.はんだごてによるはんだ付けの基本作業   

第6章 鉛フリーはんだの実用化・開発事例   
6.1 ソニー   
6.2 日本電気   
6.3 富士通研究所   
1.はじめに   
2.開発の方針と目標   
3.鉛フリーはんだ合金の選択   
4.鉛フリーはんだ技術の開発   
5.開発技術の実用化   
6.おわりに   
6.4 日産自動車   
1.はじめに   
2.開発事例   
3.今後の課題   
6.5 本田技術研究所   
1.緒言   
2.鉛フリーはんだの耐熱疲労性   
3.まとめ   
6.6 日本ビクター   
1.はじめに   
2.開発事例   
3.今後の課題   
6.7 オムロン   
6.8 ノキア   
6.9 Nortel   
1.はじめに   
2.合金選択   
3.Nortel研究所の試行   
4.完全鉛フリー接続例   
5.NortelのMeridian8009電話機   
6.Meridian PABX Backplanesと携帯電話   
7.鉛フリー基板表面処理   
8.将来の展開   
9.結論   
6.10 Philips   
1.フロー用鉛フリーはんだの条件と合金の選択   
2.エコ指標(Eco Indicator)   
3.今後   

第7章 鉛フリーはんだ付けの課題と今後   
1.鉛フリーはんだの標準化/国際化   
2.回収・リサイクルとの関係/代替材料の安全性・環境調和性   
3.部品の問題   
4.技術的課題   
5.コストアップ   

付録   
付録1.鉛フリーはんだ関連特許   
1.Sn-Ag-Cu系はんだ   
2.Sn-Ag-Bi-Cu系はんだ   
3.Sn-Ag-In-Cu系はんだ   
4.Sn-Zn系はんだ   
5.Sn-Bi-In系はんだ   
6.その他のはんだ   
7.特許戦略   
付録2.鉛フリーはんだとして重要な主な3元状態図   
付録3.鉛フリーはんだ・材料カタログ(社名五十音順)   
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