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RLB100196
半導体集積回路用レジスト材料ハンドブック
販売価格(税込):
36,300
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■体裁:A4判、273頁
■発刊:1996年7月
■ISBNコード:
※オンデマンド印刷版となります為、掲載画像とお届けする商品の表紙デザインは異なります。ご了承ください。
なお、本文内容の変更はございません。
【監修】
山岡亜夫 千葉大学
【編集委員】
上野 巧 日立製作所
田中啓順 日本電信電話
中瀬 真 東芝
【執筆者】
中瀬 真 東芝
山岡亜夫 千葉大学
上野 巧 日立製作所
塘 洋一 ソニー
後河内透 東芝
内藤卓哉 東芝
村井二三夫 日立製作所
花畑 誠 住友化学工業
中村二朗 日本電信電話
松尾隆弘 松下電器産業
伊東敏雄 沖電気工業
老泉博昭 日立製作所
田中稔彦 日立製作所
橋本 訓 北海道大学
木原尚子 東芝
松澤敏晴 リソテックジャパン
大藤 武 超先端電子技術開発機構
田中初幸 ヘキストインダストリー
※執筆者の所属等は、刊行当時のものです。
【概要】
本書の企画と発行は上野 巧(日立)、 田中啓順(NTT)および、 中瀬 真(東芝)らをメンバーとする編集委員会により計画された。"Materials for Microlithography"(ACS Symposium Series 266 ed. by L.F.Thompson et al. 1984)の緒言には「1μm以下の微細構造を有するLSI(1MBit DRAM)が数年内に量産予定であるが、 この目標達成にはレジスト材料とプロセスの両面で新規なテクノロジーの開発が必要である」と記述されている。
以来10年を経た現在、 本書の"緒言"には上記文節中"1μm"を"0.1μm"と書き換えればそのまま転用できる。つまり10年間でリソグラフィの開発目標が1MBitから1GBitへと1、000倍高密度化された事を意味し、 現行技術を根本的に見直さなければならないエポックに立ち至っている点でも10年前の状況と共通している。この度の本書の発行は誠に時宜を得たものでありその意義は極めて大きい。
リソグラフィ技術における微細化は、 g線からi線へと露光光源の短波長化とナフトキノンジアジド-ノボラック型レジストの高性能化によって サブミクロンからクォータミクロンへと進展してきた。現在、 微細化技術は256MBit DRAMの量産にはKrFエキシマレーザの193nm光の採用も予想されている。これは、 g線からi線への移行とは基本的に異なる変革である。単に光源波長の変更に止まらず、 永年使われてきたポジ型レジストのo-ナフトキノンジアジド-ノボラック型から、 全く異なった材料に変えなければならないからである。そして、 レジストの変更は同時に露光装置、 プロセス、 製造ラインの構成など、 付随するさまざまな技術も同時に変更しなければならないことを意味する。
KrFリソグラフィでは化学増幅型レジストによる対応が固まりつつあるが、 ArFリソグラフィに使用可能なレジストに関しては、 まさに黎明期である。本書を構成する15の章にはそれぞれの立場で次世代の目標達成のために、 最前線で開発に取り組んでおられる方々による、 現実に即したリソグラフィの現状と問題点、 次世代技術の予測等が具体的に紹介されている。光源、 露光技術、 プロセス、 材料、 シミュレーション技術、 製造技術、 分析評価技術など、 新規レジストおよび新規プロセスの設計、 合成、 評価について、 レジスト材料の製造に必要な知見がほぼ完全に記述されている。また、 材料設計のベースであるリソグラフィの原理、 レジストを支える光化学、 さらに、 ArFリソグラフィのためのレジストとして提案されている新しい反応機構、 アイディアについても網羅されており、 技術の全貌が明らかにされている。したがって、 幅広い他分野の方々にも本書の内容をご一読戴き、 次世代リソグラフィを克服するための考え方などについてご助言とご協力を賜われればとの期待も込められている。
本書を短期間で発行できたのは各章をご担当になられた著者の皆様は勿論のこと、 編集をご担当されたリアライズ社各位の並々ならぬご尽力の賜物でもあり、 ここに深く感謝申し上げる次第であります。
【目次】
第1章 リソグラフィの原理
1. はじめに
2. リソグラフィ総論
2.1 半導体集積回路(ULSI)とリソグラフィ技術
2.2 リソグラフィの基本原理
2.3 リソグラフィとレジスト材料
3. g/i線露光装置
3.1 コンタクト露光装置
3.2 等倍投影露光装置
3.3 縮小投影露光装置(ステッパ)
4. エキシマレーザ露光技術
4.1 KrFエキシマレーザ露光技術
4.2 ArFエキシマレーザ露光技術
5. X線露光技術
5.1 露光システム
5.2 X線マスク
5.3 X線縮小投影露光技術
6. 電子ビーム露光技術
6.1 電子ビーム描画方式の分類
6.2 露光装置
7. リソグラフィにおける光学理論
7.1 コンタクト露光とフレネル回折
7.2 投影露光とフラウンホーファ回折
7.3 投影露光とフーリエ光学論
8. 超解像露光技術
8.1 基本原理
8.2 変形照明法
8.3 位相シフトマスク
8.4 瞳フィルタリング
9. おわりに
第2章 光化学の基礎とレジスト材料の設計
1. 光化学の基礎
1.1 フォトレジストと感光性
1.2 光による分子・原子の励起
1.3 レジストの光吸収
2. レジスト材料の設計
2.1 材料としてのレジスト感度
2.2 分光増感
2.3 レジストの現像と特性因子
第3章 レジスト材料概論
1. 高分子レジストの溶解性変化のメカニズム
1.1 光架橋
1.2 光変性(Photomodification)
1.3 光解重合(崩壊)
1.4 光重合
1.5 熱架橋/光架橋切断
2. レジストに用いられる基本的な化合物と素反応
2.1 活性エチレン基の光2量化反応(光架橋反応)
2.2 アジド化合物
2.3 ジアゾニウム塩
2.4 光構造変化
3. 化学増幅型レジスト
3.1 光酸発生剤
3.2 光塩基発生物質
3.3 化学増幅型レジストの問題点
4. 0.1mmの解像度のパターン形成
4.1 ArFリソグラフィ
4.2 SRリソグラフィ
5. 表面反応
5.1 ポリペプチドの表面合成
5.2 光配向制御
5.3 表面親水性の制御
5.4 エキシマレーザによるテフロン表面の極性制御
5.5 表面光重合
第4章 g/i線レジスト材料
1. はじめに
2. ポリケイ皮酸ビニル
3. 環化ポリイソプレン-ビスアジド
4. ジアゾナフトキノン(DNQ)-ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジスト
5. DNQ-ノボラック系ポジ型フォトレジストの高解像度化
5.1 ノボラック樹脂
5.2 ジアゾナフトキノン(DNQ)化合物
6. アジド化合物系フォトレジスト
7. おわりに
第5章 Deep UV(KrFエキシマレーザ)レジスト材料
1. はじめに
2. 材料開発の歴史
2.1 従来の公知材料の転用
2.2 新材料系(光消色機能)の提案
2.3 化学増幅型レジストの登場と問題点, その解決方法
3. レジストの材料系ごとの総括
3.1 ノボラック樹脂+ジアゾナフトキノン感光剤溶解抑止型
3.2 架橋タイプ化学増幅ネガ型
3.3 保護基脱離あるいは溶解抑止タイプ化学増幅ポジ型
4. 最近の話題から
4.1 光塩基発生剤, 光分解性塩基
4.2 酸増殖機能材料
5. おわりに
第6章 VUV(ArFエキシマレーザ)レジスト材料
1. はじめに
2. ArFレジスト材料の基本概念
2.1 ArFレジスト材料と光吸収の理論
2.2 非芳香族レジストとドライエッチング耐性
2.3 共役シフト法
2.4 脂環式アクリル樹脂系193nmレジストの問題点
2.5 共役シフト型193nmレジストの問題点
2.6 ArF レジストの今後
3. アクリル系のレジスト(IBMのレジスト)
3.1 KrFエキシマ露光からArFへ
3.2 IBMの脂環型レジスト
3.3 IBMの脂環型インヒビタ
4. 脂環式アクリレート系レジスト
4.1 脂肪族環を用いたレジスト
4.2 脂肪族環を用いたポリマー
4.3 脂肪族環を持つ酸発生剤
5. 吸収帯シフト法を応用したナフチルアクリレート系レジスト
5.1 吸収帯シフト法
5.2 吸収帯シフト法を用いたポリマー
5.3 吸収帯シフト法を応用した光酸発生剤
5.4 吸収帯シフト法を応用した溶解抑止剤
5.5 実際のパターン描画結果
6. おわりに
第7章 電子線,X線レジスト材料
1. はじめに
2. 電子線およびX線リソグラフィへの応用とレジスト材料
2.1 電子線描画方式とその応用
2.2 電子線による露光の特徴
2.3 X線リソグラフィの方式
2.4 X線による露光の特徴
2.5 電子線,X線リソグラフィの応用
3. 市販レジストの用途別分類
3.1 マスク用レジスト
3.2 位相シフタ加工用レジスト
3.3 電子線直接描画用レジスト
3.4 研究開発,超微細デバイス用レジスト
3.5 X線用レジスト
4. 各レジストの組成と特性
4.1 ネガ型レジスト
4.2 ポジ型レジスト
5. 帯電防止膜形成材料
6. 電子線,X線レジストの今後の課題
第8章 ノボラック・ジアゾナフトキノン系レジスト
1. レジストの基本組成と像形成機構
2. 半導体デバイスの高集積化とレジストへの要求性能
2.1 レジストへの要求性能
2.2 微細化への対応 ― g線露光からi線露光へ
3. ノボラック・ジアゾナフトキノン系レジストの材料技術
3.1 ジアゾノフトキノン化合物(感光剤)の材料技術
3.2 ノボラック樹脂の材料技術
4. ノボラック・ジアゾナフトキノン系レジストの到達レベル
5. 実用上の課題と対応策,今後の展開
第9章 化学増幅型レジスト
1. 化学増幅型レジストの分類
1.1 ネガ型レジスト
1.2 ポジ型レジスト
2. 化学増幅の物理と化学
2.1 触媒発生反応(露光工程)
2.2 触媒反応(PEB工程)
2.3 溶解反応(現像工程)
3. 対環境安定化技術
3.1 T-トップ
3.2 裾引き
4. プロセス
4.1 フィルタによる雰囲気のクリーン化
4.2 オーバーコートの適用
4.3 膜内多重光反射による問題
5. まとめ
第10章 表面イメージング
1. はじめに
2. シリル化プロセス
2.1 シリル化の分類
2.2 ネガ型プロセスとポジ型プロセス
2.3 気相シリル化と液相シリル化
2.4 その他のシリル化プロセス
2.5 0.15μm以降のリソグラフィへの展開
3. 表面修飾プロセス
3.1 表面修飾プロセスの原理
3.2 CVD法
3.3 液相堆積法
4. その他の表面イメージングプロセス
4.1 無電解めっき法
4.2 自己整合型表面イメージングプロセス
4.3 ゲルミル化プロセス
5. おわりに
第11章 アドバンストレジスト材料プロセス
1. はじめに
2. ケイ素含有レジスト
2.1 ポリ(シロキサン)系レジスト
2.2 ポリシラン系レジスト
2.3 カルボシラン系レジスト
3. ケイ素以外の金属含有レジスト
4. 無機レジスト
4.1 カルコゲナイドガラス
4.2 ヘテロポリタングステン酸
4.3 金属ハロゲン化物
5. アドバンストレジストプロセス
5.1 SEIL法
5.2 アンダーサイズを用いたパターン縮小法
5.3 プロセスのドライ化
5.4 全ドライプロセス
5.5 ナノスケール加工
6. おわりに
第12章 レジストプロセス
1. はじめに
2. 基板前処理
3. レジスト塗布
4. ベーク処理
4.1 プリベーク
4.2 露光後ベーク(PEB)
4.3 化学増幅系レジスト使用時における雰囲気制御
4.4 ポストベーク
5. 現像
6. リンス
6.1 パターン倒れとは
6.2 パターン倒れの原因
6.3 パターン間に働く力
6.4 パターン倒れ防止法
7. エッチング
8. レジスト剥離および洗浄
9. 高解像レジストプロセス
9.1 反射防止膜(ARC)
9.2 化学増幅系レジストの諸問題対策
10. おわりに
第13章 分析評価技術
1. はじめに
2. 一般化学分析
2.1 構造解析
2.2 熱分析
2.3 分子量測定
2.4 不純物分析
3. レジスト特性評価方法
3.1 膜厚測定
3.2 溶解速度測定
第14章 シミュレーション技術
(1)従来型フォトレジスト
1. はじめに
2. Dillモデル:フォトリソグラフィ・シミュレーションの基本的方式
3. ポストDillモデル
4. 現像シミュレーションの方式
5. 現像計算モデル
6. 残された課題
7. おわりに
(2)化学増幅レジスト
1. はじめに
2. ポジ型化学増幅レジストの反応シミュレーション
3. ネガ型化学増幅反応のモデリング
4. 形状シミュレータ
5. おわりに
第15章 レジストの製造技術
1. はじめに
2. フォトレジストのケミストリー
3. ノボラック樹脂
3.1 起源
3.2 ノボラック樹脂の合成
3.3 レジストに使用されるノボラック樹脂
4. PAC(感光剤)
4.1 PACの合成
4.2 PACの管理
5. 溶剤
5.1 安全溶剤への動き
5.2 ECA代替溶剤
6. フォトレジストの製造工程
6.1 フォトレジストの製造フロー
6.2 原料検査
6.3 溶解工程
6.4 粘度・膜厚調整
6.5 製品濾過充填
6.6 製品検査
7. 品質コントロールの考え方
8. 設備技術
8.1 タンク・配管材料の状況
9. おわりに