商品コード:
RLB222663
最先端高密度配線銅めっき技術
販売価格(税込):
71,500
円
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Pt
■体裁:B5判、273ページ
■発刊:2009/11
■ISBNコード:978-4-7813-0143-3
■シーエムシー出版
★ 銅めっき技術の基本的な理解から各要素技術までを網羅!
★ LSI技術やプリント基板用などの銅めっき適用事例を紹介!
【著者】
早瀬仁則 東京理科大学 理工学部 准教授
村上 元 半導体新技術研究会 代表;(株)元天 代表取締役
斎藤 囲 (株)ハイテクノ 代表取締役
小岩一郎 関東学院大学 工学部 物質生命科学科 教授
若林信一 (財)長野県テクノ財団 ナノテク・材料活用支援センター センター長、国際・広域連携チームリーダー
若林 猛 カシオマイクロニクス(株) 代表取締役社長
吉岡 修 凸版印刷(株) エレクトロニクス事業本部 事業戦略本部
新宮原正三 関西大学 システム理工学部 教授
中田 勉 (株)荏原製作所 精密・電子事業カンパニー 技術統括部 プロセス開発室 室長
池田慎吾 立命館大学 生命科学部 応用化学科 助教
赤松謙祐 甲南大学 フロンティアサイエンス学部 生命化学科 准教授
縄舟秀美 甲南大学 フロンティアサイエンス学部 生命化学科 教授
下山 正 (株)荏原総合研究所 材料研究室 主任研究員
;現:(株)荏原製作所 精密・電子事業カンパニー めっき装置事業室
近藤和夫 大阪府立大学 工学研究科 化学工学分野 教授
山道新太郎 日本電気(株) デバイスプラットフォーム研究所 研究マネージャ
西城信吾 奥野製薬工業(株) 総合技術研究所 表面技術研究部 第1研究室 室長
岩崎庄治 (株)フジクラ 電子電装開発センター 回路技術開発部 グループ長
横谷篤至 宮崎大学 工学部 電気電子工学科 電子基礎工学講座 教授
下間靖彦 京都大学 産官学連携センター 産官学連携准教授
平尾一之 京都大学 工学研究科 教授
三浦清貴 京都大学 工学研究科 准教授
伊藤健治 三菱電機(株) 名古屋製作所 レーザシステム部 加工技術課 専任
表 利彦 日東電工(株) 執行役員 副CTO 全社技術部門長 兼 基幹技術センター長
横島時彦 (独)産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門 産総研特別研究員
青柳昌宏 (独)産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門 主幹研究員
【編集】
半導体新技術研究会
【序文】
1997年、IBM社がそれまでローテクと思われていた湿式銅めっきを用いてICチップ内銅配線を形成すると発表し、世界中に驚きが広がった。それ以来、めっきに関する研究開発が一段と活発になり、銅めっきはダマシンプロセスを筆頭に高度化が進んできた。10年以上経た現在、半導体産業自体に大きな変化が訪れようとしている様子である。
かつて、飛行機の最高速度は、ムーアの法則と同様の勢いで上昇してきた。ジェットエンジンという革新を経て、超音速飛行が可能となった。
そして、世界中の期待を集め、1970年代、コンコルドが民間人の超音速旅行を可能となった。
しかし、商業的には運営が難しく、残念ながら2003年にコンコルドは運行を終え、超音速旅客機は姿を消した。現在でも、超音速旅客機開発は続けられているが、大きなハードルを抱えている。
一方、半導体集積回路では突き進んできた微細化が厳しくなってきた。さらなる微細化の研究開発は、莫大な研究開発費を要し、一社での独自開発を進めることは困難となっている。旅客機の高速化と同様の歴史を辿っているのかもしれない。しかし、あらゆる機器に電子回路が組み込まれ、ICへの要求は高度化の一途を進んでいる。
こうした中、一つのICパッケージに複数のチップを組み入れて、高集積化・高機能化を図る様々なパッケージング手法が提案されている。全く製造プロセスの異なるチップを組み合わせることで、従来にはない新しい機能を持った製品が次々と開発されている。
どの手法が主流となるかはまだ分からないが、経済的観点からも、配線形成を中心に銅めっきが多用されることは確実である。また、主流となったプロセスは、信頼性の向上とコスト低減を求められることになっている。
本書では、銅めっきを利用した既に実用化されている様々な手法、これから実用化が期待される手法、そして、最先端の基礎研究まで包括的な情報を提供すること目的としている。各章、研究開発に携わる第一線の方々にご多忙な中、ご執筆頂いた。
半導体産業は、ものづくり産業の中心であり、加工されて美しく輝くウエハが示している様に、人生を豊にしてくれる私たちの宝物である。
極めて進展の早い分野ではあるが、本書が当該分野および関連分野の企業・大学等の研究者・技術者の今後の研究開発の一助になれば幸いである。
(「はじめに」より)
2009年11月 東京理科大学 早瀬仁則
【目次】
第1章 半導体デバイス用めっき表面処理技術の重要性(村上元)
1. はじめに
2. 半導体パッケージとは
3. 半導体パッケージにおけるめっきの重要性と信頼性確認
4. (株)ルネサステクノロジ開発のSiP(System in Package)技術とめっき技術
5. DRAM用パッケージ技術とめっき技術
6. リチウムイオン電池用電源ICパッケージの技術変遷とめっき技術
6.1 ルネサステクノロジ開発パッケージLFPAK(R)構造
6.2 PLP(Plated Lead Package)の構造
7. 液晶TV用ドライバーIC用パッケージCOF(Chip On Film)構造
8. パッケージ機能を持たせた半導体素子
9. LSI素子配線の銅配線化
10. LSIへの銅ダマシン法採用関係の特許について
11. 銅デュアルダマシンプロセス用銅めっき液
12. おわりに
第2章 めっきの基礎と歴史
1. 主な電気めっきの歴史(斎藤囲)
1.1 銅めっき
1.2 ニッケルめっき
1.3 金めっき
1.4 その他の貴金属めっき
1.4.1 銀めっき
1.4.2 パラジウムめっき
1.4.3 白金めっき
1.5 スズおよびスズ合金めっき
2. 電子デバイスへの応用のあゆみ(小岩一郎)
2.1 エレクトロニクスの発展
2.2 半導体産業の開発の新時代
2.3 情報化社会の発展を支える技術
2.4 電子デバイスに使用されるめっき技術
2.5 半導体の銅配線
2.6 ウエハレベルチップサイズパッケージ
2.7 貫通電極を用いた実装方法
2.8 部品内蔵基板
2.9 今後の新しいエレクトロニクス技術
第3章 半導体パッケージのめっき技術
1. セラミックパッケージ開発とめっき技術(村上元)
1.1 はじめに
1.2 半導体パッケージ外形形状の変遷
1.2.1 日本最初のICパッケージはキャンタイプパッケージから始まる
1.2.2 日立が開発したIC/LSI用セラミックパッケージ技術
1.2.3 低融点ガラス封止タイプパッケージ開発
1.3 表示素子用パッケージの開発
1.4 おわりに
2. 樹脂封止型IC、LSIパッケージ技術開発とめっき技術(村上元)
2.1 はじめに
2.2 樹脂封止型パッケージ開発の歴史
2.2.1 DIP型樹脂モールド型パッケージの開発
2.2.2 QFP(Quad Flat Package)の誕生
2.2.3 QFPの開発チーム
2.2.4 標準化の先駈けとなったQFP
2.2.5 日米半導体パッケージ合同委員会の創設
2.2.6 QFP規格の国際規格への格上
2.2.7 半導体パッケージ名称の統一
2.2.8 半導体パッケージの関係規格
2.2.9 SEMIの活動
2.2.10 QFPの啓蒙活動
2.2.11 半導体新技術研究会活動
2.3 樹脂封止型パッケージ用リードフレームへのめっき技術
2.3.1 リードフレームへの部分金めっき
2.3.2 リードフレームへの部分銀めっき
2.3.3 付着イオンの管理
2.3.4 完成品めっき
2.4 おわりに
3. プリント配線基板技術適用半導体パッケージ開発とめっき技術(村上元)
3.1 はじめに
3.2 プラスチック半導体パッケージ黎明期
3.2.1 アルミナ積層セラミック多層のBVH方法とめっき技術
3.2.2 COB(Chip On Board)法の開発
3.2.3 ICカードの誕生
3.3 プラスチックCPU用パッケージ技術の進展
3.3.1 P-PGAへの適用
3.3.2 フリップチップ実装技術のプラスチック基板への適用(FCBGAの誕生)
3.3.3 ボールグリッドアレイパッケージBGAの誕生
3.3.4 SiPの誕生
3.4 半導体プラスチックパッケージ基板への銅孔埋め技術
3.5 おわりに
4. リードフレームなど半導体パッケージ部品へのめっき技術(若林信一)
4.1 はじめに
4.2 リードフレームのめっき技術
4.2.1 リードフレーム材料とめっきプロセス
4.2.2 高速銀めっき
4.2.3 金めっき
4.2.4 パラジウムめっき
4.2.5 すずめっき
4.2.6 はんだめっき、鉛フリーはんだめっき
4.3 半導体パッケージに使用されるめっき
4.4 おわりに
5. WLPと銅メッキ技術―銅メッキ技術を主体としたWLP及びEWLP技術と今後の展開―(若林猛)
5.1 はじめに
5.2 パッケージの進化とWLP
5.3 WLPのプロセス技術
5.4 部品内蔵技術
5.5 今後の実装技術
5.6 鉛フリーからはんだフリーへ
5.7 実装材料の大きな変化
5.8 まとめ
6. 半導体パッケージ部材(特にTABテープ)とめっき技術(吉岡修)
6.1 はじめに
6.1.1 LCD用途とCSP用途
6.2 LCD用TABテープ
6.2.1 LCDと駆動用IC実装
6.2.2 無電解錫めっき
6.2.3 インナーリードボンディング性
6.2.4 ファインピッチ技術
6.2.5 セミアディティブ
6.3 半導体PKG用TABテープ
6.3.1 半導体インターポーザTABテープ
6.3.2 Auめっき(電解・無電解)
6.3.3 Auめっき接続信頼性
6.3.4 Cuめっき
6.4 まとめ
第4章 ウエハ上への銅めっき技術
1. LSI技術におけるCu配線の重要性と課題(新宮原正三)
1.1 はじめに
1.2 Cu配線の実効的な電気抵抗について
1.3 Cu配線のエレクトロマイグレーション信頼性について
1.4 まとめ
2. 銅配線形成技術(中田勉)
2.1 はじめに
2.2 Ru材料を用いた22nm以降のCu配線めっき技術
2.2.1 Ru自然酸化膜の初期化技術
2.2.2 Ru薄膜によるターミナルエフェクト低減
2.3 まとめおよび今後の展望
3. ポリイミド樹脂の表面改質を利用した銅配線形成技術(池田慎吾、赤松謙祐、縄舟秀美)
3.1 はじめに
3.2 ポリイミド樹脂の部位選択的表面改質
3.3 表面改質層への銅イオンの吸着
3.4 吸着銅イオンの還元
3.5 おわりに
4. ULSI配線用Cuめっき液技術(下山正)
4.1 はじめに
4.2 多孔質層間絶縁膜へのめっき液浸入の原因
4.3 めっき液の浸入機構
4.4 Cuダマシン配線への応用
4.5 まとめ
5. シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)(近藤和夫)
5.1 緒言
5.2 シリコン貫通電極(TSV)形成プロセス
5.3 シリコン貫通電極(TSV)の構造
5.4 シリコン貫通電極銅穴埋めめっき
5.5 新規の添加剤
6. 厚Cuめっき配線の高密度System-in-Packageへの応用(山道新太郎)
6.1 はじめに
6.2 ウエハ上再配線技術
6.3 ワイドバス接続SiP技術
6.4 コアレス配線基板を用いたPoP技術
6.5 まとめ
第5章 プリント基板用めっき技術
1. めっきの添加剤と多層性(西城信吾)
1.1 添加剤の構成と役割
1.2 スルーホールめっき
1.3 ビアフィリングめっき
1.4 スルーホールフィリング
1.5 今後について
2. 配線基板表面めっき技術(岩崎庄治)
2.1 めっき手法分類
2.2 各めっき種類の特徴
2.2.1 電解ニッケルめっき、金めっき
2.2.2 無電解ニッケルめっき、金めっき
2.2.3 半田めっき
2.2.4 半田プリフラックス(OSP:Organic Solderbility Preservatives)
2.3 表面めっき技術の今後
3. PIへのダイレクトプレーティング(横谷篤至)
3.1 はじめに
3.2 ポリイミド樹脂の表面改質
3.3 めっき付着性の向上実験例
3.4 付着強度測定法の検討
3.5 まとめ
4. フェムト秒レーザー利用Cu配線用ナノ粒子形成(下間靖彦、平尾一之、三浦清貴)
4.1 はじめに
4.2 金属Cuナノワイヤーの作製
4.3 金属Cuナノワイヤーの形成メカニズム
4.4 ZnOナノ粒子の合成
4.5 ZnOナノ粒子の形成メカニズム
5. レーザ穴明け加工における高品質化(伊藤健治)
5.1 はじめに
5.2 加工穴の高品質化
5.3 レーザ穴明け加工特性
5.3.1 小径イメージング加工(フィラー入りエポキシ系樹脂)
5.3.2 イメージング加工(ガラスクロス入りエポキシ系樹脂)
5.3.3 コンフォーマル加工(表面銅箔付きガラスクロス入りエポキシ系樹脂)
5.3.4 銅ダイレクト加工(表面銅箔付きガラスクロス入りエポキシ系樹脂)
5.4 まとめ
第6章 機能性銅めっき適用事例
1. ハードディスク用ワイヤレスサスペンション配線技術と今後の展開(表利彦)
1.1 HDD用ワイヤレスサスペンション回路基板とは
1.2 開発の背景
1.2.1 CISFLEX(R)の構造
1.2.2 絶縁材料(感光性ポリイミド)
1.2.3 接合技術
1.2.4 高周波対応技術
1.2.5 新規信号線素材と機械特性
1.3 CISFLEX(R)技術の将来展開
2. ブリッジめっき法とケミカルフリップチップ接続(横島時彦、青柳昌宏)
2.1 はじめに
2.2 無電解めっき法による微細電極接続
2.2.1 無電解めっきによるフリップチップ接続
2.2.2 ケミカルフリップチップ接続のコンセプト
2.2.3 ブリッジめっきのコンセプト
2.3 ブリッジめっきを用いた微細電極接続
2.3.1 単一電極間の接続
2.3.2 多電極間の一括接続
2.3.3 ブリッジめっきによる析出膜とその特性改善
2.4 ブリッジめっきを用いたケミカルフリップチップ接続
2.4.1 プロセスフロー
2.4.2 ケミカルフリップチップ接続
2.4.3 ケミカルフリップチップ接続の狭ピッチ化
2.5 まとめ