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配位空間の化学―最新技術と応用―

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出版図書

■体裁: B5判、345ページ
■発刊:2009/10
■ISBNコード: 978-4-7813-0135-8
■シーエムシー出版

【著者】
北川進   京都大学 物質―細胞統合システム拠点 副拠点長、工学研究科 合成・生物化学専攻 教授
有賀克彦   (独)物質・材料研究機構 WPIセンター国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究員
Ajayan Vinu   (独)物質・材料研究機構 WPIセンター国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 MANA独立研究者
野呂真一郎   北海道大学 電子科学研究所 有機電子材料研究分野 助教
内田さやか   東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 助教
水野哲孝   東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 教授
高田昌樹   (独)理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター 高田構造科学研究室 主任研究員
河野正規   Pohang University of Science and Technology Professor
澤  博   名古屋大学 大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 応用物理学分野 構造物性物理学講座 教授
齋藤一弥   筑波大学 大学院数理物質科学研究科 教授
太田雄介   名古屋大学 大学院情報科学研究科 博士後期課程3年
長岡正隆   名古屋大学 大学院情報科学研究科 教授
杉本 学   熊本大学 大学院自然科学研究科 准教授
長谷川淳也   京都大学 工学研究科 合成・生物化学専攻 講師
近藤 篤   信州大学 ナノテク高機能ファイバーイノベーション連携センター 特任助教
加納博文   千葉大学 大学院理学研究科 化学コース 教授
植村一広   岐阜大学 工学部 応用化学科 助教
山田鉄兵   九州大学 大学院理学研究院 化学部門 助教
北川 宏   京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 教授
大越慎一   東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授
大場正昭   京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 准教授
大塩寛紀   筑波大学 大学院数理物質科学研究科 教授
志賀拓也   筑波大学 大学院数理物質科学研究科 助教
小林達生   岡山大学 大学院自然科学研究科 教授
宮坂 等   東北大学 大学院理学研究科 准教授
石田玉青   首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 分子応用化学域 助教
唯美津木   分子科学研究所 物質分子科学研究領域 准教授
酒井 健   九州大学 大学院理学研究院 化学部門 教授
西森慶彦   東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 博士課程3年
西原 寛   東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授
芳賀正明   中央大学 理工学部 応用化学科・理工学研究所 教授
金井塚勝彦   中央大学 理工学部 応用化学科 助教
平井健二   京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 修士課程2年
古川修平   京都大学 物質―細胞統合システム拠点 特任准教授
小島憲道   東京大学 大学院総合文化研究科 教授
加藤昌子   北海道大学 大学院理学研究院 教授
森本 樹   東京工業大学 大学院理工学研究科
山本洋平   東京工業大学 大学院理工学研究科
石谷 治   東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 教授
芥川智行   北海道大学 電子科学研究所 准教授
中村貴義   北海道大学 電子科学研究所 教授
渡辺芳人   名古屋大学 物質科学国際研究センター 教授
上野隆史   京都大学 物質―細胞統合システム拠点(iCeMS) 准教授
田中健太郎   名古屋大学 大学院理学研究科 物質理学専攻(化学系) 教授
荒谷直樹   京都大学 大学院理学研究科 助教
大須賀篤弘   京都大学 大学院理学研究科 教授
寺西利治   筑波大学 大学院数理物質科学研究科 化学専攻 教授
堀毛悟史   (独)科学技術振興機構(JST) ERATO北川統合細孔プロジェクト 博士研究員

【目次】

序論 配位空間とは(北川進)
1. 配位空間が生まれる意義と背景
2. 配位空間を研究するグループ
3. 研究課題の内容
3.1 分子凝集空間(A01班)
3.2 ポテンシャル制御空間(A02班)
3.3 柔軟応答空間(A03班)
3.4 エネルギー操作空間(A04班)
4. 1~2次元に広がる制限配位空間の化学
5. おわりに

【第I編 合成】
第1章 メソ孔物質:設計・合成と新しい機能(有賀克彦、Ajayan Vinu)
1. 従来のメソ孔物質
2. 新しいメソ孔物質
3. カーボンナノケージ
4. メソ孔物質の階層化
5. おわりに

第2章 配位高分子(野呂真一郎)
1. 拡散法
2. 水熱合成法
3. Post-Synthetic Modification(合成後修飾)
4. 多孔性配位高分子薄膜
5. ハイスループット法
6. 結晶子のサイズ・モルフォロジー制御

第3章 多孔性無機錯体の合成(内田さやか、水野哲孝)
1. はじめに
2. ポリオキソメタレート
3. ポリオキソメタレート分子内に多孔性構造を有する化合物
4. 結晶子・結晶粒子の間隙に細孔を有する多孔性ポリオキソメタレート化合物
5. 結晶格子中に細孔を有する多孔性ポリオキソメタレート化合物
6. おわりに

【第II編 測定および理論】
第1章 構造決定

1. 配位空間科学のための粉末X線回折法(高田昌樹)
1.1 粉末X線回折による構造決定
1.2 粉末X線回折データを用いた電子密度マッピング
1.3 放射光による粉末回折実験
1.4 配位空間科学への粉末X線回折の応用
1.5 あとがき

2. X線回折による化学反応の直接観察(河野正規)
2.1 はじめに
2.2 細孔性ネットワーク錯体のカートリッジ合成法
2.3 細孔修飾と選択的ゲスト認識
2.4 結晶性分子フラスコ
2.4.1 不安定イミンの直接観察
2.4.2 錯体骨格のダイナミクスの基質依存性
2.5 おわりに

3. 水素吸蔵体の構造決定―放射光X線回折による電子密度解析の最先端―(澤博)
3.1 水素吸蔵の意義
3.2 吸蔵された水素を見るためには、どのような手段があるか
3.3 X線回折によって水素を観測するには
3.4 ナノ細孔に吸着した水素分子の直接観測
3.5 ナノ細孔への水素分子の吸着構造
3.6 開口C60に閉じ込められた水素分子の観測
3.7 おわりに

第2章 熱測定(齋藤一弥)
1. 物質科学における熱測定・熱力学
1.1 熱容量とエントロピー
1.2 相転移
1.3 ガラス転移
1.4 化学平衡
2. 熱量測定
2.1 断熱法による熱容量測定
2.2 緩和法による熱容量測定
2.3 交流(ac)法による熱容量測定
2.4 生成熱など反応熱の測定について
3. 熱分析
3.1 熱分析の特徴
3.2 示差熱分析(DTA)と示差走査熱量測定(DSC)
3.3 熱重量測定(TG)
3.4 装置の較正

第3章 理論
1. 気体吸蔵(太田雄介、長岡正隆)
1.1 CpPy中における小気体分子吸着状態:電子状態計算
1.2 CpPy中における酸素分子吸着状態:MMシミュレーション
1.3 CpPy中における酸素分子吸着状態とその熱力学的特性:MCシミュレーション

2. 電荷移動型吸蔵(杉本学)
2.1 はじめに
2.2 表面-分子相互作用と分子吸蔵
2.3 分子吸着の制御因子
2.3.1 表面の電荷の重要性
2.3.2 吸着分子への電荷移動の重要性
2.4 電荷移動型吸蔵の実例
2.5 電荷移動型吸蔵のタイプ
2.6 電荷移動の制御手法
2.6.1 電子ドーピング/正孔ドーピング
2.6.2 電気化学的酸化還元による電荷移動
2.6.3 光による電子励起の利用
2.6.4 通電による電荷移動状態の生成
2.7 まとめと展望

3. 水素吸蔵体:分子間相互作用の解析と分子設計への展望(長谷川淳也)
3.1 はじめに
3.2 水素吸着系の分子間相互作用に関する分子軌道描像
3.3 モノポール静電場の効果
3.4 ダイポール静電場の効果
3.5 軌道間相互作用を導入した物理吸着系の可能性
3.6 まとめ
3.7 Appendix:計算内容

【第III編 機能】
第1章 貯蔵(近藤篤、加納博文)

1. はじめに
2. 集合構造がもつ空間の機能
2.1 貯蔵のメカニズム
2.2 配位空間における特異ポテンシャル場
3. 水素の貯蔵
4. 配位空間の動的変化がもたらす機能
4.1 構造変化型配位高分子の特異吸着
4.2 CO2貯蔵の比較
4.3 構造変化型配位高分子の可能性
5. イオン貯蔵
6. おわりに

第2章 分離(植村一広)
1. はじめに
2. 多孔性配位高分子の流通式分離の検討
3. 多孔性配位高分子の膜分離

第3章 配位高分子におけるプロトン伝導性(山田鉄兵、北川宏)
1. はじめに
2. イオン伝導とプロトン伝導
3. 配位高分子への酸性残基の導入
3.1 反応溶液のpHの制御による酸性残基の導入
3.2 金属イオンのサイズによる制御
3.3 Post Synthesis(PS)法による官能基の導入
3.4 Protection-Complexation and Deprotection(PCD)法による官能基の導入
4. 配位高分子のプロトン伝導特性
4.1 背景
4.2 結果
5. まとめ

第4章 磁性
1. 外場応答磁性体(大越慎一)
1.1 はじめに
1.2 RbMnFeプルシアンブルー類似体における可視光可逆光磁性
1.3 RbMnFeプルシアンブルー類似体における強誘電強磁性

2. 多孔性磁性体(大場正昭)
2.1 緒言
2.2 設計指針
2.2.1 ゲストの吸脱着による変換
2.2.2 着脱可能な配位子を利用したトポケミカル構造変換
2.2.3 双方向の化学的スピン状態変換
2.3 結語

3. 多核磁性体(大塩寛紀、志賀拓也)
3.1 単分子磁石の定義と歴史
3.2 単分子磁石の磁気的性質と物性測定
3.3 各種単分子磁石の例

4. 酸素吸蔵磁性(小林達生)
4.1 O2の磁性
4.2 分子配列
4.3 CPL-1に吸着した酸素分子の磁性
4.4 Cu-CHDに吸着した酸素分子の磁性
4.5 その他の吸着酸素の磁性研究
4.6 まとめ

5. 低次元構造磁性:単一次元鎖磁石(宮坂等)
5.1 はじめに
5.2 Glauberダイナミクスの理論的解釈
5.3 Glauberダイナミクスの一般性への拡張
5.4 単一次元鎖磁石の合理的設計:一軸異方性分子素子を連結する
5.5 Glauberダイナミクスの実験的証明
5.6 Ising限界を超えた系
5.7 鎖間相互作用は単一次元鎖磁石挙動にネガティブか?
5.8 おわりに

第5章 反応
1. 金ナノ粒子触媒(石田玉青)
1.1 金ナノ粒子の触媒作用
1.2 金ナノ粒子触媒調製法
1.3 多孔性材料への金ナノ粒子の担持
1.4 多孔性配位高分子への金属ナノ粒子の担持
1.5 多孔性配位高分子に担持した金属クラスターの触媒作用
1.6 おわりに

2. 多孔性触媒(唯美津木)
2.1 表面固定化金属錯体
2.2 ゼオライトの3次元細孔を利用したRe錯体の固定化によるベンゼンと酸素からのフェノール直接合成
2.3 モレキュラーインプリンティング固定化金属錯体の設計法

3. 白金(II)錯体を水素生成触媒とする単一分子光水素発生デバイスの開発(酒井健)
3.1 はじめに
3.2 トリス(2、2'-ビピリジン)ルテニウム(II)を用いた水の可視光分解反応
3.3 水素生成触媒空間の制御
3.4 白金(II)錯体を触媒とする水素生成反応の機構
3.5 単一分子光水素発生デバイスの構築と電子移動空間の制御
3.6 まとめ

第6章 表面 
1. 錯体多次元集合界面(西森慶彦、西原寛)
1.1 固体表面修飾
1.2 自己組織化多積層膜
1.3 逐次的錯形成反応による多積層膜
1.4 機能化を目指した研究

2. 表面分子デバイス(芳賀正明、金井塚勝彦)
2.1 はじめに
2.2 ボトムアップ法としての基板表面上への自己組織化による分子の集積化
2.3 多脚型アンカー基をもつ分子
2.4 基板表面での集積化による分子デバイス機能
2.4.1 分子ワイヤ・分子スイッチ
2.4.2 ナノワイヤ
2.4.3 分子メモリ
2.4.4 光電変換デバイス
2.4.5 レドックス錯体SAMを利用したセンサー応用
2.5 基板表面での有機無機構造体の合成とその機能
2.6 基板表面での結晶性の有機無機構造体の合成とその機能
2.7 異種金属錯体積層膜構築におけるコンビナトリアル化学
2.8 表面での新しい動き 
2.9 おわりに

3. 多孔性配位高分子の結晶膜(平井健二、古川修平)
3.1 基板表面上での多孔性配位高分子結晶膜
3.1.1 基板上の多孔性配位高分子結晶膜
3.1.2 SAMs上の多孔性配位高分子膜
3.2 複合型多孔性金属錯体

第7章 光物性
1. 一般論(小島憲道)
1.1 はじめに
1.2 配位子場遷移(d-d遷移)
1.3 配位子場遷移による光物性:光誘起スピンクロスオーバー転移
1.4 電荷移動遷移(LMCT)による光物性:光誘起原子価互変異性
1.5 電荷移動遷移(MLCT)による光物性:光誘起連結異性
1.6 電荷移動遷移(IVCT)による光誘起磁性
1.7 電荷移動遷移(IVCT)による光誘起原子価転移
1.8 共鳴エネルギー伝達と励起子
1.9 非線形光学効果

2. 蒸気応答性発光材料(加藤昌子)
2.1 はじめに
2.2 発光性白金(II)錯体の構造学的分類と特徴
2.3 直鎖構造系白金(II)錯体
2.4 架橋白金(II)複核錯体
2.5 今後の展望

3. 光エネルギー変換材料(森本樹、山本洋平、石谷治)
3.1 はじめに
3.2 トリカルボニルレニウム(I)錯体の光機能性と光反応性
3.3 ビスカルボニルレニウム(I)錯体における分子内芳香環相互作用とその物性
3.4 ビスカルボニルレニウム(I)錯体の光触媒特性
3.5 直鎖状レニウム(I)錯体の合成と発光特性
3.6 おわりに

第8章 誘電物性(芥川智行、中村貴義)
1. 固体の誘電物性
2. 有機および遷移金属錯体結晶の誘電物性
3. まとめと将来展望

【第IV編 展望】
第1章 蛋白空間錯体hybrid(渡辺芳人、上野隆史)

1. はじめに
2. 合成錯体でミオグロビン活性中心を再構成
3. フェリチン内部空間の利用
4. フェリチン内部空間に有機金属化合物を導入
5. バクテリオファージT4の部品蛋白質の機能化
6. おわりに

第2章 生体高分子をモチーフとした精密分子組織(田中健太郎)
1. はじめに
2. プログラム可能な分子組織としてのDNA
3. 金属錯体型人工DNA
4. 人工DNAをテンプレートとした定量的スピン集積
5. 異種金属錯体の精密配列プログラミング
6. まとめ

第3章 自己識別会合(荒谷直樹、大須賀篤弘)
1. はじめに
2. ポルフィリン
3. ポルフィリン会合体
4. Narcissistic Self-sorting
5. まとめと展望

第4章 ナノ粒子(寺西利治)
1. はじめに
2. CnS-Auナノ粒子の単一粒子電子物性
3. 大環状π共役部位のAuナノ粒子への面配位によるトンネル抵抗低減
4. 配位子間相互作用によるAuナノ粒子の配列制御
5. おわりに

第5章 配位高分子(堀毛悟史、北川進)
1. 配位高分子の合成
2. 解析手法の発展
3. 多孔性配位高分子の固有の機能の追求
4. 他の材料との複合化による機能発現
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