商品コード:
RLB223004
空間伝送型ワイヤレス給電技術の最前線
販売価格(税込):
71,500
円
ポイント:
650
Pt
■体裁:B5判・283頁
■発刊:2021年5月31日
■ISBNコード:978-4-7813-1603-1
■シーエムシー出版
【監修】
篠原真毅
【刊行にあたって】
2021年は空間伝送型ワイヤレス給電にとって歴史に残る年になるかもしれない。結合型ワイヤレス給電の普及に伴い,より便利で,無意識のうちに電波で給電可能な空間伝送型への期待が高まり,日本では2020年7月14日に総務省が情報通信審議会より「構内における空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの技術的条件」に関する一部答申を受け,本答申を踏まえ,速やかに制度整備等を行う予定となっている。順調に進めば2021年のうちに日本でも空間伝送型ワイヤレス給電の商品化が可能となる予定であり,国内初のスタートアップ企業も生まれている。2021年1月末には中国Xiaomi が空間伝送型ワイヤレス給電を用いたスマホ充電システムを開発した。2021年はまさに「空間伝送型ワイヤレス給電元年」となる可能性が高いのである。
この本は空間伝送型ワイヤレス給電の研究開発や商品化の最前線を網羅したものである。この本を手に取れば,最先端の空間伝送型ワイヤレス給電のすべてが理解できるはずである。さらに同出版社からこれまでに出版されている「ワイヤレス給電の最前線」(2011 年),「ワイヤレス電力伝送技術の研究開発と実用化の最前線」(2016年)と合わせて読むことで,空間伝送型ワイヤレス給電に関するより幅広い知識を得ることができる。最後になるが,多くの第一線の研究開発でご活躍される研究者,技術者の方々より玉稿をいただいたことに心よりお礼申し上げたい。(「はじめに」より抜粋)
【著者】
篠原真毅 京都大学
陳 強 東北大学
袁 巧微 東北工業大学
田中勇気 パナソニック㈱
野口啓介 金沢工業大学
西川健二郎 鹿児島大学
伊東健治 金沢工業大学
井田次郎 金沢工業大学
本城和彦 電気通信大学
分島彰男 名古屋工業大学
三谷友彦 京都大学
谷 博之 パナソニック㈱
井上統之 KDDI㈱
古川 実 ㈱Space Power Technologies
【目次】
第1章 空間伝送型ワイヤレス給電の基礎
1 空間伝送型ワイヤレス給電の概要
1. 1 ワイヤレス給電の概要
1. 2 空間伝送型ワイヤレス給電のアンテナ伝搬技術の概要―基本―
1. 3 空間伝送型ワイヤレス給電のアンテナ伝搬技術の概要―応用―
1. 4 空間伝送型ワイヤレス給電の回路技術の概要
1. 5 まとめ
2 空間伝送型ワイヤレス給電用アンテナの電磁界解析
2. 1 まえがき
2. 2 アンテナの近傍界領域と遠方界領域
2. 3 近傍界方式と遠方界方式のワイヤレス給電の数値解析法
2. 4 数値解析例
3 空間伝送型ワイヤレス給電用アンテナ技術-ワイドビーム型-
3. 1 ワイドビーム型ワイヤレス給電の概要
3. 2 システム設計
3. 3 アンテナ設計
3. 4 電源マネジメント技術
3. 5 分散型WPT
3. 6 ワイドビーム型WPTの今後の展望
4 空間伝送型ワイヤレス給電用アンテナ技術―高インピーダンスアンテナ―
4. 1 はじめに
4. 2 高インピーダンスFDA
4. 3 設計例
4. 4 むすび
5 目標追尾技術
5. 1 空間伝送型ワイヤレス給電の目標追尾技術の基礎―レトロディレクティブ方式―
5. 2 レトロディレクティブ方式の発展形―ビーム型レトロディレクティブ―
5. 3 レトロディレクティブ方式の発展形―マルチパス・レトロディレクティブ―
5. 4 まとめ
6 受電整流アンテナ-レクテナ-技術(中大電力)
6. 1 高効率レクテナ
6. 2 ミリ波帯レクテナ
7 受電レクテナ(小電力)
7. 1 まえがき
7. 2 基本動作と課題
7. 3 誘導性3導体折り返しダイポールアンテナを用いる2.4GHz帯高感度レクテナ
7. 4 微小ループアンテナを用いる920MHz帯高感度レクテナ
7. 5 人工磁壁(AMC)基板上の折り返しダイポールアンテナを用いる920MHz
帯高感度レクテナ
7. 6 あとがき
8 小電力レクテナ用半導体デバイス技術
8. 1 はじめに
8. 2 環境電磁波発電での重大課題
8. 3 順方向電圧降下電圧を下げる技術
8. 4 まとめ
9 半導体マイクロ波増幅回路
9. 1 電力増幅器設計の原理
9. 2 マイクロ波帯構成法
9. 3 GaN HEMTを用いた試作例
10 増幅回路用半導体デバイス技術
10. 1 半導体材料物性
10. 2 LDMOSFET
10. 3 化合物半導体と2次元電子ガスを用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)
11 位相制御マグネトロン
11. 1 はじめに
11. 2 位相制御マグネトロンの原理
11. 3 出力電力調整が可能な位相制御マグネトロン
11. 4 位相制御マグネトロン研究開発の最新動向
11. 5 おわりに
第2章 空間伝送型ワイヤレス給電の応用
1 バイタルセンサ・設備内IoTセンサへの応用
1. 1 システムの概要
1. 2 システムの構成
1. 3 バイタルセンサへの応用
1. 4 設備内IoTセンサへの応用
1. 5 まとめと今後の展望
2 工場・倉庫などでの応用
2. 1 はじめに
2. 2 制度の整備について
2. 3 2.4GHz帯空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの仕様
2. 4 設置場所,設置方法の条件について
2. 5 他の無線システムとの共用検討
2. 6 今後の検討について
3 様々なバッテリーフリー装置応用
3. 1 はじめに
3. 2 バッテリーフリー装置の応用例
3. 3 纏め
4 医療応用他
4. 1 はじめに
4. 2 平面位相制御型メタサーフェス
4. 3 無線オプトジェネティクス
4. 4 長距離無線通信技術の紹介
4. 5 まとめ
5 トンネル等インフラ点検応用
5. 1 はじめに
5. 2 開発システムの概要
5. 3 システムを構成する主要な要素技術と成立要件
5. 4 走行モニタリングシステムの実証実験
5. 5 まとめ
6 送電線等インフラ点検応用
6. 1 はじめに
6. 2 送電線等電力インフラ設備点検の現状
6. 3 送電線点検へのドローン活用
6. 4 送電線点検用ドローンの自律制御技術の開発
6. 5 ドローン向けワイヤレス電力伝送技術の研究開発
7 ドローン応用
7. 1 はじめに
7. 2 ドローン応用のシステム概念設計
7. 3 開発課題と開発方針
7. 4 実証試験機の開発仕様案
7. 5 終わりに
8 飛翔体応用
8. 1 はじめに
8. 2 飛翔体への長距離電力伝送
8. 3 送受電システムリンクバジェットについて
8. 4 送電開口面の問題
8. 5 受電アンテナ重量の問題
9 洋上風力発電所への応用
9. 1 はじめに
9. 2 ビームパイロット信号
9. 3 両側レトロディレクティブシステム
9. 4 直交2重モード誘電体共振器アンテナ
9. 5 おわりに
10 宇宙太陽光発電
10. 1 宇宙太陽光発電システムとは
10. 2 SSPSの送電方式
10. 3 宇宙太陽光発電システム(SSPS)のしくみ
10. 4 SSPSの研究史
10. 5 SSPS概念検討
10. 6 無線送電試験
10. 7 研究開発ロードマップ
第3章 空間伝送型ワイヤレス給電のEMCと安全性
1 国内外の法制度化議論状況
1. 1 はじめに
1. 2 国内制度化議論の状況
1. 3 ITU-Rでの国際制度化議論の状況
1. 4 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)での取組み状況
1. 5 おわりに
2 ワイヤレス給電とEMC―ペースメーカを一例に―
2. 1 はじめに
2. 2 近接結合型WPTと空間伝送型WPTに対する植え込み型医療器の電磁干渉影響評価例
2. 3 数値シミュレーションを用いた電磁干渉影響評価の検討
3 電波ばく露に対する人体防護指針
3. 1 はじめに
3. 2 ICNIRPガイドラインと電波防護指針
3. 3 空間伝送型ワイヤレス給電技術における人体防護
3. 4 むすび
4 電磁波の生体影響
4. 1 はじめに
4. 2 電磁波の生体影響に関する評価研究
4. 3 国際がん研究機関(IARC)や世界保健機関(WHO)の評価と動向
4. 4 WHOの5Gネットワークと健康に関するQ&A
4. 5 電磁波の生体影響とリスクコミュニケーション
4. 6 電気自動車のワイヤレス給電技術の普及に向けての人体影響に関する安全性評価
4. 7 まとめ
5 ばく露評価と国際標準化動向
5. 1 はじめに
5. 2 評価指標
5. 3 ばく露評価手順
5. 4 ばく露評価法
5. 5 ばく露量低減技術の検証法
5. 6 ばく露評価例
5. 7 国際標準化の動向(WG9の動向)
6 コンソーシアム活動
6. 1 はじめに
6. 2 ビジネスマッチングと海外との連携
6. 3 ワーキンググループ活動
6. 4 その他の活動
6. 5 まとめ