商品コード:
RLB223015
不織布の最新開発動向
販売価格(税込):
60,500
円
ポイント:
550
Pt
■体裁:B5判・307頁
■発刊:2021年3月23日
■ISBNコード:978-4-7813-1597-3
■シーエムシー出版
【監修】
矢井田修
【刊行にあたって】
環境問題に対する意識の高まりも世界的に顕著であり,水や空気の浄化に用いるフィルターの媒体として不織布は用いられることが多く,SDGsに関連する環境意識の高まりによって需要が増えると考えられている。また,地球環境の整備という観点から,土木用材料として,不織布が用いられることも多く,災害の復旧工事などで活躍している。
さらに,生活の安全や健康に対する意識も高まっており,PM2.5,鳥インフルエンザや新型コロナウイルスの感染防止に有効な不織布マスクも需要が拡大している。すなわち,産業用繊維資材の増加,新材料の開発,環境問題や安全・健康への認識の高まり,が不織布発展の背景にあると考えられる。
科学技術の新しい発展や情報技術の著しい拡大が私たちの生活に大きな影響を与えてきた。不織布における技術革新が,2030年までに持続可能でより良い世界を目指す普遍的な国際目標であるSDGsを達成するための一助になることを期待している。
本書は不織布の最新技術動向をピックアップしたものであり,不織布製造及び加工企業,不織布原料メーカー,商社はもとより,自動車及び車両,医療及び衛生,土木及び建築,家庭用品,農業及び園芸,エレクトロニクス関連,環境関連など様々な業種の方々の研究・技術開発や新製品開発のお役に立てれば幸いである。
矢井田 修
(「刊行にあたって」より抜粋)
【著者】
矢井田修 信州大学/日本不織布協会
石川雅友 金星製紙㈱
内田幸子 高崎健康福祉大学
傳法谷郁乃 神奈川大学
徐于懿 大阪大学
宇山浩 大阪大学
内田太郎 ㈱フルステム
千葉俊明 ㈱フルステム
ダビデ・カラガニ 広島大学
菊池勇輝 信州大学
吉子裕二 広島大学
金翼水 信州大学
田中茂樹 東洋紡㈱
平泉顕 ユニチカ㈱
田邉明美 東洋紡㈱
中村賢広 東洋紡㈱
大林華子 東洋紡㈱
奥村裕司 東洋紡㈱
山本崇史 工学院大学
山川啓介 マツダ㈱
桂大詞 マツダ㈱
久保田寛 マツダ㈱
小松隆志 旭化成㈱
新井田康朗 クラレクラフレックス㈱
向井孝志 (国研)産業技術総合研究所
妹尾博 (国研)産業技術総合研究所
田中秀明 (国研)産業技術総合研究所
川崎真生 JNCフィルター㈱
岸本吉則 ㈱ファイバーマトリックス研究所
山本淳一郎 金井重要工業㈱
貞島一輝 金井重要工業㈱
向井康人 名古屋大学
望月政嗣 元 京都工芸繊維大学;元 ユニチカ㈱
丸山裕 伊藤忠システック㈱
野村裕亮 日本フイルコン㈱
金慶孝 信州大学
木村太郎 福岡県工業技術センター
浦川稔寛 福岡県工業技術センター
野上裕司 ㈱メック
【目次】
【総論 編】
第1章 不織布の高機能化と今後の展望
1 はじめに
2 不織布製造法の特徴
3 不織布製造技術の世界的な動向
3.1 複合化技術の多様化
3.2 リサイクル関連技術及び地球環境配慮型新素材
3.3 スパンボンド・メルトブロー技術の多様化
3.4 スパンレース技術の進展
3.5 エアレイ技術の多様化
3.6 ナノファイバーや複合繊維への対応
4 国内サプライヤーの技術開発動向について
4.1 設備投資を増やしている国内サプライヤーについて
4.2 重要技術を保有している国内サプライヤーについて
5 今後の展望
6 おわりに
第2章 不織布の国内外の市場動向
1 はじめに
2 日本不織布産業の現況
3 グローバル市場における不織布産業の概況
3.1 世界の不織布生産量
3.2 グローバル市場におけるサプライヤーの競争力強化について
4 不織布の用途開発動向
5 おわりに
【不織布の技術開発動向 編】
第3章 医療・衛生分野
1 マスク用とりかえシート
2 医療用防護服の防護機能性と快適性
2.1 はじめに
2.2 防護服に用いられている不織布素材
2.3 医療現場における防護服の問題点
2.4 医療用防護服の防護機能性
2.5 医療用防護服着用時の快適性
2.6 おわりに
第4章 バイオメディカル分野
1 電界紡糸不織布のバイオメディカル材料への応用44
1.1 はじめに
1.2 ナノセルロース
1.3 電界紡糸
1.4 電界紡糸不織布の生分解性評価
1.5 バイオマテリアルへの応用例
1.6 おわりに
2 不織布足場材利用の高密度3D大量培養法および回収法
2.1はじめに
2.2 再生医療等安全性確保法
2.3 治療用の大量培養装置に必要な条件
2.4 高密度3D大量培養法
2.5 次世代型培養装置について
2.6 おわりに
3 人工角膜材料としての不織布ナノファイバー
3.1 はじめに
3.2 角膜の組織構造
3.3 不織布ナノファイバー
3.4 人工角膜のための不織布
3.5 おわりに
第5章 土木分野向け不織布
1 土木用途への不織布の利用
1.1 土木用不織布とは
1.2 土木用不織布の歴史
1.3 土木用不織布の分類
1.4 土木用不織布の機能
1.5 土木用不織布の使用事例
1.6 未来環境を豊かにする土木用不織布
1.7 おわりに
2 建設業界の現状と『アクア パック』 の開発について
2.1 はじめに
2.2 背景
2.3 現状と今後のトレンド
2.4 アクア パックの開発
2.5 最後に
第6章 建築分野向け不織布 ―防水材基布用ポリエステルスパンボンドを中心に―
1 はじめに
2 アスファルトルーフィング用基布としての不織布
2.1 アスファルトルーフィングの各工法とそれぞれに適した不織布
2.2 今後の展望
3 屋根下葺材用不織布
3.1 屋根下葺材
3.2 屋根下葺材用不織布に求められる性能
4 塗膜防水用基布としての不織布
4.1 塗膜防水
4.2 塗膜防水用不織布
5 最後に
第7章 自動車向け遮音・吸音材料の開発
1 はじめに
2 多孔質吸音材の均質化
2.1 多孔質吸音材のミクロスケールにおける基礎支配方程式
2.2 漸近展開
2.3 境界値問題
2.4 均質化法により得られるマクロ特性
2.5 マクロスケールの支配方程式
3 Biot パラメータの同定
3.1 弾性率,ポアソン比および質量密度
3.2 空孔率
3.3 空気流れ抵抗
3.4 トーチュオシティと粘性特性長
3.5 熱的特性長
4 繊維材料の微視構造最適化
4.1 Biot パラメータと微視的パラメータの関係式
4.2 微視構造の寸法最適化
5 まとめ
第8章 生活資材分野
1 生活資材用不織布の現状と生産状況
1.1 はじめに
1.2 各種製品状況
1.3 衣料分野
1.4 インテリア分野
2 ワイピング用途不織布の開発
2.1 ワイピングの概要
2.2 今後の開発方向と課題
第9章 エレクトロニクス分野
1 リチウムイオン電池用セパレータの開発状況と不織布への期待153
1.1 はじめに
1.2 電池セパレータの市場動向と耐熱性向上技術
1.3 中国製EVの開発状況と高安全性電池の要求
1.4 不織布セパレータの開発状況
1.5 おわりに
2 不織布の液体用フィルターへの応用
2.1 はじめに
2.2 液体用フィルターへの応用方法
2.3 エレクトロニクス分野での使用事例
第10章 産業資材分野
1 エレクトロバブルスピニング゛法とナノファイバー複合不織布
1.1 はじめに
1.2 エレクトロバブルスピニング法(以下EBS法)
1.3 複合化について
1.4 おわりに
2 研磨材
2.1 研磨について(固定砥粒と遊離砥粒)
2.2 固定砥粒研磨材の種類
2.3 不織布研磨材(固定砥粒)の特徴
2.4 不織布研磨材(固定砥粒)の用途
2.5 遊離砥粒研磨材の種類と特徴
2.6 遊離砥粒研磨材の用途
2.7 最後に
3 高度水処理のためのナノファイバー不織布フィルターの開発
3.1 はじめに
3.2 濾過処理への応用
3.3 吸着処理への応用
4 ポリ乳酸繊維・不織布の最新技術と市場開発動向
4.1 はじめに
4.2 繊維・不織布産業におけるグリーン・イノベーション
4.3 ポリ乳酸繊維・不織布の製造法と分類
4.4 ポリ乳酸(PLA)繊維の糸質特性…ポリエステル(PET)繊維との比較
4.5 第2世代ポリ乳酸…高L組成ポリ乳酸(High %L PLA)
4.6 ポリ乳酸繊維の環境低負荷特性
4.7 海洋プラスチック汚染問題と生分解性プラスチック
4.8 ポリ乳酸繊維が有する高機能性
4.9 PLA繊維・不織布の主な実用化事例
4.10 おわりに
【不織布の製造設備の最新動向 編】
第11章 乾式不織布製造設備の最近の動向
1 はじめに
2 Diloグループ製造機械
2.1 Dilo Spinbau/新型カード機
2.2 DI-LOOM 特殊ニードル機
2.3 新たな市場への取組
2.4 新商品 【Dilo Hypertex】
2.5 Hypertex
3 CAMPENエアレイド加工装置
3.1 エアレイドとは
3.2 エアレイドプロセス
3.3 新しい生分解性ワイプスの基盤となるエアレイド
3.4 エアレイドの歴史 -ワイプスは使い捨てに-
3.5 エアレイドとスパンレースプロセスの開発
3.6 CAMPEN MACHINERYについて
4 ITMA 2019 出展機器
4.1 ITMA2019展示機器 / DILO/TEMAFA社
4.2 ITMA2019展示機器 / Spinnbau社
4.3 ITMA2019展示機器 / Dilo Machines社
5 Truetzschlerグループ製造機械
5.1 スパンレース技術の歴史及びTruetzschler社について
5.2 Truetzschler社NCTカード機について
5.3 コーマノイルへの取り組み
5.4 サステナビリティへの取り組み
5.5 綿・天然繊維用ランダムカードTWF-NCRカード機について
5.6 パルプ不織布のウェットレイイング・スパンレーシング(WLS)ライン
第12章 不織布搬送用ベルト
1 概要
2 基礎論
2.1 搬送用ベルトの製作工程
2.2 織構造
2.3 織継構造
3 最新動向
3.1 搬送用ベルトの最新デザイン
3.2 不織布の各種製法に特化した搬送用ベルトの加工
4 総括
【不織布の評価・測定 編】
第13章 不織布の物性測定
1 不織布の構造と性質
2 不織布の試験方法
2.1 厚さ(ISO法)と重さ(ISO法)
2.2 引張強さ及び伸び率(ISO法)
2.3 引裂強さ(JIS 法及びISO 法)
2.4 破裂強さ(JIS法)
2.5 摩耗強さ(JIS法)
2.6 剛軟度(JIS 法及びISO法)
2.7 通気性(JIS法)
2.8 吸水性(JIS法)
2.9 寸法変化率,燃焼性,遮光性及び透光性,耐光堅ろう度,圧縮率及び圧縮弾性率(JIS法)
2.10 その他
3 不織布の触感評価
3.1 触感の主観評価
3.2 布の触感の客観的評価に用いられる物理特性
3.3 客観評価式
第14章 X線CTを使用したニードルパンチとメルトブローン不織布の構造解析
1 はじめに
2 複合材料への応用
3 海外での不織布への応用事例と問題点
4 ニードルパンチ不織布への取り組み
5 メルトブローン不織布への取り組み
6 トレーサー繊維を用いたニードルパンチ不織布の新たな評価法
7 おわりに
第15章 透過光によるナノファイバー不織布厚みムラ測定技術と装置の開発
1 はじめに
2 ナノファイバー不織布の厚みムラ発生要因
2.1 ノズルからの距離
2.2 装置周辺の静電的環境
2.3 ノズルの詰まり
2.4 製造後の取扱いによる要因
3 透過光によるナノファイバー不織布の厚みムラ測定の基礎技術
3.1 検出方法の検討
3.2 ナノファイバー不織布による透過光減衰挙動の評価
4 透過光を利用したナノファイバー不織布用膜厚測定装置の開発
4.1 装置概要
4.2 装置の主な仕様
4.3 厚みムラの表示方法
5 透過光を利用した膜厚測定装置によるナノファイバー不織布の測定
6 おわりに