商品コード: RLB222888

コラーゲンの製造と応用展開 II

販売価格(税込): 70,400
ポイント: 0 Pt
■体裁:B5判、225ページ
■発刊:2013/9
■ISBNコード:978-4-7813-0821-0
■シーエムシー出版

★前書から4年、『コラーゲンの製造と応用展開』待望の第2弾!
★知見のアップデートに加え、最新の基礎研究の展開、注目の吸収・代謝、応用分野への取り組みなどを詳述!
★コラーゲンの基礎から応用までまとめられた研究者・技術者必携の1冊です!

【監修】
谷原正夫

【著者】
谷原正夫  奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究所 教授
奥山健二  大阪大学 大学院理学研究科 高分子科学専攻 招へい教授
尾形信一  横浜国立大学大学院 環境情報研究院 准教授
小林未明  奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 特任助教
藤本一朗  (株)高研 研究所 所長
肥塚正博  新田ゼラチン 営業本部 食品開発部 マネージャー
平岡陽介  新田ゼラチン 経営企画部 ライフサイエンス室 主任研究員
野村義宏  東京農工大学 農学部 教授
吉里勝利  (株)フェニックスバイオ 学術顧問室 学術顧問
安達敬泰  (前)広島県産業科学技術研究所 研究員
柴崎賀彰  三和澱粉工業 研究開発部 研究員
市瀬慎一郎  早稲田大学 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 大学院生
小出隆規  早稲田大学 先進理工学部 化学・生命化学科 教授
君羅好史  城西大学 薬学部 医療栄養学科 食品機能学 助手
真野 博  城西大学 大学院薬学研究科 医療栄養学専攻,薬学部 医療栄養学科 食品機能学 教授
杉原富人  新田ゼラチン(株) ペプチド事業部  シニアアドバイザー
井上直樹  新田ゼラチン(株) ペプチド事業部 研究員
小泉聖子  新田ゼラチン(株) ペプチド事業部 研究員
桑原くみ子 (株)ニッピ バイオマトリックス研究所 研究員
服部俊治  (株)ニッピ バイオマトリックス研究所 所長
天白真理子 オリンパステルモバイオマテリアル(株) 開発部 プロダクトエンジニア
重松 貴  オリンパステルモバイオマテリアル(株) 開発部 部長
川添直輝  (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA) 生体組織再生材料ユニット 生体組織再生材料グループ MANA研究者
陳 国平  (独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA) 生体組織再生材料ユニット ユニット長
城崎由紀  九州工業大学 若手研究者フロンティア研究アカデミー 准教授
都留寛治  九州大学 大学院歯学研究院 准教授
早川 聡  岡山大学 大学院自然科学研究科 教授
尾坂明義  岡山大学 工学部 特命教授
馬場俊輔  大阪歯科大学 口腔インプラント科 専任教授
橋本典也  大阪歯科大学 歯科理工学講座 講師

【刊行にあたって】
 2009年に刊行した「コラーゲンの製造と応用展開」は、おかげさまで好評を頂いており、その続編を再び刊行できることは望外の喜びである。
 コラーゲンの利用が拡がる一方で、動物由来コラーゲンの安全性が疑問視されている。動物由来のコラーゲンの利点や問題点を明確にし、その対処方法も提案されているがまだ十分とは言えない。また新世代コラーゲンの利点や課題、利用方法についても十分に理解されているとは言いがたい状況である。このような各種コラーゲンについて、最新の知見をアップデートし、再び1冊の本にまとめることは、コラーゲンを利用している、あるいは利用を考えている多くの研究者や技術者にとって、大変有意義なものと考えられる。
 したがって、本書は前著の改訂版にとどまることなく、最近のコラーゲンに関する基礎研究の新展開にする章やコラーゲンの吸収・代謝に関する章、応用では人工骨や歯周病治療等の再生医療分野への新たな展開の章を加えることにより、コラーゲンに関わる研究開発の最前線で活躍している研究者並びに技術者の必携の書となることを目指したものである。本書が少しでもお役に立てば幸いである。

(本書「はじめに」より抜粋)

2013年9月 
谷原正夫

【目次】
【第1編 コラーゲンの基礎】

第1章 コラーゲンの分子構造  
1 はじめに
2 一次構造
3 分子構造
3.1 ラセンの動径投影
3.2 天然コラーゲンからのアプローチ
3.2.1 triple-helixモデル以前の研究
3.2.2 2つのtriple-helix構造モデル
3.2.3 天然コラーゲンの繊維構造解析
3.3 モデルペプチドからのアプローチ
3.3.1 ペプチド主鎖のコンフォメーション
3.3.2 水和水の結合パターン
3.4 コラーゲンの分子構造

第2章 コラーゲンの基本物性   
1 はじめに
2 コラーゲン分子の生合成
3 コラーゲンのアミノ酸組成と器官・組織における分布
4 コラーゲンの一般的構造とその性状
5 コラーゲンと疾病 〜壊血病を例に〜
6 新しいコラーゲン
7 おわりに

第3章 コラーゲン研究の最新の現況 
1 はじめに
2 細菌中に新たに同定されたコラーゲン様タンパク質ファミリー
3 一本鎖のコラーゲン様ペプチド(collagen mimetic peptides, CMPs)を利用したコラーゲンの検出
4 絹タンパク質との融合ペプチド創製による細胞外マトリクスとの結合性制御
5 アミロイドとの関連
6 おわりに


【第2編 コラーゲン各論】

第4章 ウシ由来コラーゲン  
1 はじめに
2 ウシ由来コラーゲン分子
2.1 コラーゲンの生合成
2.2 コラーゲンの構造
2.3 コラーゲン分子の鎖組成
3 コラーゲン分子架橋の生成
4 ウシ由来コラーゲンの多様性
5 ウシ由来コラーゲン溶液の調製
5.1 酸可溶性コラーゲンの調製
5.2 アルカリ可溶化コラーゲンの調製
5.3 タンパク質分解酵素処理によるコラーゲンの調製
5.4 中性塩可溶性コラーゲンの調製
5.5 タイプ別コラーゲン分別沈降条件
6 ウシ由来アテロコラーゲンの安全性確保について
7 ウシ由来アテロコラーゲンの応用について
7.1 ウシ由来コラーゲン溶液の性質
7.1.1 粘度
7.1.2 旋光度
7.1.3 線維再生
7.2 加工成形
7.3 医療分野への応用
7.3.1 アテロコラーゲンによる涙道閉鎖
7.3.2 再生医療分野におけるスキャホールド
7.3.3 膝関節軟骨の再生
7.4 医薬品の徐放性担体としての応用
7.4.1 タンパク質医薬品のDDS
7.4.2 核酸医薬品のDDS
7.4.3 核酸自然免疫反応性に対するコラーゲンDDSのオフターゲット回避効果
7.4.4 DDS担体としてのコラーゲンの生体毒性
7.5 アテロコラーゲンセルトランスフェクションアレイ
8 おわりに

第5章 ブタ由来コラーゲン 
1 はじめに
2 豚由来コラーゲンの産業的利用
3 豚由来コラーゲン製造方法の基礎
3.1 豚原料
3.2 可溶性コラーゲンの製造方法
3.2.1 製造方法の基礎
3.2.2 豚原料の入手
3.2.3 豚皮の使用部位
3.2.4 豚皮から真皮層の取り出し
3.2.5 可溶性コラーゲンの抽出
3.2.6 可溶性コラーゲンの精製方法
3.3 高圧噴射法を用いた新しい可溶性コラーゲンについて
4 豚由来コラーゲンの物理化学的特性について
4.1 分子量分布
4.2 変性温度
4.3 アミノ酸組成
4.4 ゲル化速度
4.5 ゲル強度
5 豚由来コラーゲンの応用展開
5.1 食品分野
5.2 化粧品分野
5.3 細胞培養
5.4 医療分野
6 おわりに

第6章 マリンコラーゲン 
1 はじめに
2 マリンコラーゲンの基礎知識
3 マリンコラーゲンの製造方法
4 コラーゲンを食べることにより期待される効果
4.1 加水分解コラーゲンの代謝に関する研究
4.2 加水分解コラーゲンの皮膚への効果
4.3 コラーゲン摂取による骨密度改善効果に関する研究
4.4 関節リウマチ(RA)モデル動物への効果
4.5 変形性関節症(OA)モデル動物への効果
5 おわりに


【第3編 新世代コラーゲン】

第7章 遺伝子組換えコラーゲン 
1 はじめに
2 カイコにおける組換えヒトIII型コラーゲン生産系の開発
2.1 ミニコラーゲンの合成
2.1.1 ベクターの構築
2.1.2 ミニコラーゲン合成トランスジェニックカイコの作出
2.1.3 組換えミニコラーゲンの解析
2.2 プロリン水酸化ミニコラーゲンの合成
2.2.1 一過性発現実験によるカイコプロリン水酸化酵素活性の測定
2.2.2 プロリン水酸化ミニコラーゲン合成トランスジェニックカイコの作出
2.3 プロリン水酸化全長コラーゲン合成の試み
2.3.1 全長コラーゲン合成トランスジェニックカイコの作出
3 今後の展開と課題

第8章 化学合成コラーゲン 
1 はじめに
2 化学合成コラーゲンの低分子量体
3 化学合成コラーゲンのコハク酸化体
4 化学合成コラーゲンの機能化
5 おわりに

第9章 コラーゲン様ペプチド超分子  
1 はじめに
2 コラーゲン様超分子マテリアルとは
3 コラーゲン様超分子の創製
3.1 Native chemical ligationを利用したコラーゲン様超分子
3.2 π-π相互作用を利用したコラーゲン様超分子
3.3 金属錯体形成を利用したコラーゲン様超分子
3.4 Avidin-biotin相互作用を利用したコラーゲン様超分子
3.5 ずれた3本鎖ペプチドを利用したコラーゲン様超分子
3.6 静電的相互作用を利用したコラーゲン様超分子
3.7 コラーゲン様ペプチドデンドリマーを利用したハイブリッドゲル
4 培養細胞基材としてのコラーゲン様超分子
5 まとめと展望


【第4編 コラーゲンの吸収・代謝】

第10章 コラーゲンの代謝と吸収―外因性と内因性のコラーゲン(オリゴ)ペプチド―
1 はじめに
2 コラーゲンの代謝(合成系)
3 コラーゲンの代謝(分解系)
3.1 組織中での分解
3.2 消化管での分解と吸収(体内移行その1)
3.3 Pro(Hyp)特異的ペプチダーゼ
4 コラーゲンペプチドの血中動態(体内移行その2)
5 コラーゲンペプチドの組織移行(体内移行その3)
6 経口摂取の安全性
7 まとめ


【第5編 応用と展望】

第11章 機能性食品とコラーゲン 
1 はじめに
2 機能性食品としての「コラーゲン」
2.1 食品分野における「コラーゲン」
2.2 コラーゲンペプチドの食品としての安全性
3 栄養素としてのコラーゲンペプチド
4 コラーゲンペプチドの吸収形態と生理機能
4.1 肌への効果
4.2 褥瘡への効果
4.3 皮膚への影響
4.4 関節への効果
4.5 骨への影響
4.6 血圧上昇抑制作用
4.7 消化管粘膜保護作用
4.8 毛髪への効果
4.9 2型糖尿病への効果
5 おわりに

第12章 化粧品とコラーゲン 
1 はじめに
2 コラーゲン可溶化までの歴史
3 化粧品に利用されるまで
4 コラーゲン分子の特徴
5 コラーゲンの精製法
6 コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチド
7 コラーゲンの変性
8 コラーゲンの型について
9 コラーゲンの生理作用
10 コラーゲンの生合成―ビタミンCの必要性
11 化粧品に配合するコラーゲン
12 コラーゲンの保湿性
13 コラーゲン経口摂取について
14 まとめ

第13章 コラーゲンを用いた再生医療用足場材料 
1 はじめに
2 2次元足場材料による角膜再生材料へのアプローチ
3 3次元足場材料-1:スポンジ―骨形成ペプチドによる骨組織構築
4 3次元足場材料-2:液体―固体の形態変化を利用した幹細胞埋植材料
5 おわりに

第14章 コラーゲン製の人工真皮 
1 はじめに
2 人工真皮について
2.1 アテロコラーゲンと熱変性・線維化について
2.2 テルダーミスの構造と製造工程について
3 コラーゲン製人工真皮の製造方法
4 ウシコラーゲンの安全性
5 人工皮膚による深い皮膚欠損創の修復例
5.1 臨床成績について

第15章 軟骨再生コラーゲン足場材料 
1 はじめに
2 氷微粒子を空孔の鋳型に用いたコラーゲンスポンジの表面空孔制御
3 氷微粒子を用いて内部の空孔構造も制御したコラーゲンスポンジの作製方法の検討
4 勾配状の内部空孔サイズ分布をもつコラーゲンスポンジの作製
5 おわりに

第16章 アパタイト/コラーゲンナノ複合体人工骨の作成 
1 はじめに
2 HAp/コラーゲン複合体
3 ゼラチン/シリケート複合体
4 コラーゲン鋳型によるシリカナノチューブ試料上での骨芽細胞増殖
5 まとめ

第17章 コラーゲンを用いた歯槽骨再生 
1 はじめに
2 骨再生医療に関する現状
3 生体吸収性足場の有用性
4 歯科臨床における天然コラーゲンの利用
5 アパタイト/アテロコラーゲン複合化スポンジを用いた骨再生
6 化学合成コラーゲンを用いた骨再生
7 再生医療の歯周病への応用
8 今後の展開
9 おわりに
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