■体裁:B5版330ページ
■発刊:1998/07/28
■ISBNコード:4-89808-011-1

【執筆者】
上瀧實、瀧本幸男 北海道東海大学、日本電気無線電子/
橋本修、畠山賢一 青山学院大学、姫路工業大学/
大畑惠一、徳満恒雄 日本電気、日本電信電話/
大畑惠一、丸橋建一、井上隆、本城和彦 日本電気/
石塚文則、木村秀明 日本電信電話/
安藤真、廣川二郎、伊藤公一、松沢晋一郎、 東京工業大学、千葉大学、豊田中央研究所/
川崎繁夫、千葉 勇 東海大学、三菱電機/
水野皓司、渡部謙一 東北大学/
上瀧實 北海道東海大学/ 斉藤民雄 富士通研究所/
福井良太郎、徳田清仁、堀松哲夫、藤村契二 沖電気工業、富士通、富士通テン/
真鍋武嗣、加藤明人 郵政省通信総合研究所/
新倉弘久 鉄道総合技術研究所/
久武経夫 新キャタピラー三菱

※所属、肩書き等は本書発刊当時のものです。

【序文】
1993年,ミリ波利用に対する気運の高まりを受けて,リアライズ社から「ミリ波技術の手引きと展開」を出版した。幸いに多くの技術者,研究者から好評を頂き,ミリ波技術の進展に一定の役割を果たしてきた。以来5年が経過し,ミリ波技術の研究開発が一層進み,かつマルチメディア情報通信や移動体通信へのニーズの増大,ITS(Intelligent Transport Systems)開発の展開など,ミリ波を巡る内外の環境が大きく変化した。そこで,これからミリ波技術の分野に参入する若い技術者や研究者に役に立つよう,新たな技術開発や研究の成果を取り入れた,実用価値の高い図書を出版することにした。現在第一線で活躍中の研究者・技術者に上記の意義・目的を十分汲んでいただき,お忙しい中ご執筆いただいた。
本書は2部構成になっている。第1部はミリ波システムを開発する際の基礎技術について詳しく解説したものである(基礎編)。第2部はミリ波応用システムの現状と開発動向について詳細に記述してある(応用編)。応用システムに興味ある読者は第2部から読み進め,必要に応じて第1部の基礎技術を読むと良いだろう。また,基礎から応用までミリ波技術に関して広く確実に身につけたい読者は第1部から順次読み進むと良いだろう。 また,本書の姉妹編として,上記の「ミリ波技術の手引きと展開」(リアライズ社,平成5年)がある。基礎的な事項はじめ,現在でも十分参考になる記述が多いので利用されたい。本書とあわせて,ミリ波技術の開発・研究に携わる際の「座右の書」となることを願っている。

【目次】
第1部　ミリ波システム開発の基礎技術
第1章　ミリ波材料の計測法とその応用計測法
1.材料定数測定の基礎
2.反射量測定の基礎
3.シールド効果測定の基礎
4.ミリ波材料と測定例

第2章　ミリ波半導体デバイス
1.ミリ波用トランジスタ
2.ミリ波MMIC
3.高密度MMIC

第3章　MMIC設計技術とCAD
1.MMIC設計手法
2.素子パラメータ評価,　抽出
3.ミリ波回路設計

第4章　MMICの実装技術とその解析手法
1.MMICの実装技術
2.MMIC実装設計のための解析手法
3.実装設計事例

第5章　ミリ波アンテナ
1.導波管平面アンテナ
2.プリントアンテナ
3.アクティブ集積アンテナ
4.成形ビームアンテナ

第6章　ミリ波帯イメージング技術
1.はじめに
2.イメージング用光学系
3.ニューラルネットワークによるミリ波像の信号処理
4.プラズマ計測への応用
5.まとめ

第2部　応用システムの動向
ミリ波技術の特徴
1.はじめに
2.広帯域特性
3.短波長特性
4.伝搬特性
5.ミリ波利用システムの安全性
6.まとめ

第1章　ミリ波IDセンサー
1.はじめに
2.国内・海外の現状と動向
3.ミリ波IDセンサーの開発例
4.ミリ波IDセンサーの課題と今後
5.まとめ

第2章　ミリ波のITS応用
1.ITS概論
2.路車間通信
3.車々間通信
4.ミリ波レーダ

第3章　ミリ波無線LAN
1.ミリ波無線LANシステムの動向
2.CRLにおけるミリ波構内通信システムの研究開発
3.屋内ミリ波伝搬特性
4.ミリ波無線LANモデルシステム

第4章　高速鉄道への応用
1.はじめに
2.鉄道通信への利用形態
3.鉄道沿線の電波伝搬特性
4.データ伝送特性
5.無線回線設計
6.ミリ波列車無線システム
7.山梨実験線ミリ波システム
8.世界の動向-ドイツ(トランスラピッド)

第5章　建設分野における電波利用
1.建設分野等での電波利用
2.電波を利用した重機械の遠隔操作
3.電波の高度利用に関する研究の動向
4.災害・復旧工事における施工機械の遠隔操作を可能にするための研究
重要用語解説集