商品コード:
RLB100148
半導体製造における安全対策・管理ハンドブック
販売価格(税込):
22,000
円
ポイント:
0
Pt
■体裁:B5判、496頁
■発刊:1993年2月
■ISBNコード:
※オンデマンド印刷版となります為、掲載画像とお届けする商品の表紙デザインは異なります。ご了承ください。
なお、本文内容の変更はございません。
【編集委員】
原田宙幸、海野秀之、堀木泰之、橋本孝二、
三菱商事、NTTエレクトロニクス、日曹エンジニアリング、鈴木商館、理研機器、消防庁、NTTファシリティーズ
【執筆者】
原田宙幸 三菱商事
海野秀之 NTTエレクトロニクステクノロジー
堀木泰之 日曹エンジニアリング
橋本孝二 鈴木商館
鈴木春男 鈴木商館
橋本孝二 鈴木商館
磯部満夫 理研計器
佐藤公雄 自治省消防庁
磯部満夫 理研計器
赤木久眞 NTTファシリティーズ
早坂東亜 日本電信電話
※著者の所属等は発刊当時のものです。
【概要】
本書は、ICメーカー、装置メーカー、ガス・薬品メーカーなどの半導体産業の現場に従事される人びとが、統一された考えで安全対策を検討し実施できるように、NTT研究所設備運用や安全管理で長年活用されている「電源OFF安全モード」の考え方を統一概念とした安全対策について紹介する者である。半導体産業に従事される全ての人びとが、座右において活用して頂くのに便利なように、ガス、薬品、耐震、防災などの安全に関する基礎データについても網羅するように企画・編集した。
半導体産業は歴史の浅い産業であり、1Kbitメモリーが量産されてからでも20数年しか経っていない。しかし、関連する産業分野としては、ガス、化学、機械、真空、光学、印刷、鉄鋼、建設など古い歴史を有する産業分野にまたがっている。従って、これまでの安全対策では、これら先輩産業での安全対策の寄せ集めが多く、このため、安全対策に関する「迷信」が存在する。このような「迷信」を打破するには、半導体産業の現場に従事する全ての人が、統一された考えのもとに安全対策を検討し実施できるようにすることが必要である。
電気は、突然に何の前触れや予告もなく停電する。いつ停電するか分からない電気を使用していて「電気を切ると危ない」といってみてもはじまらない。また、地震や火災で緊急に避難する必要がある時に、「個々の装置を安全に停止させてから避難せよ」と規定することは許されるはずがない。さらに、「水をかけたら危ない」といって可燃性薬液や有害薬液を漏らした時に、引火する危険性などを考えもしないで、漏洩薬液を拭き取ったり、拭き取らせたり、「ガス検知器が作動したら、まずリセット」と定め有害ガス漏洩検知器が鳴動した時にリセット釦を押させたり、漏洩装置を処置するために漏洩箇所に近づいたりすることは、火中の栗を拾いに行くようなものであり、絶対に許されない。このような言い方や考え方、処置方法がもし存在するとすれば、それは「迷信」が存在する証拠である。
このような「迷信」を打破するためには、半導体産業の現場に従事するすべての人が、安全対策について検討し実施できるようにすることが必要である。「電源OFF安全モード」は、電気を切ると装置が安全に停止するモードのことである。すべての装置を「電源OFF安全モード」に統一すると「電気を切ると危ない」という「迷信」が一掃できるだけでなく、半導体産業の現場に従事する全ての人が均一された考えのもとに安全対策を検討し実施できるようになる。本書により、安全対策に対する均一下考え方が普及し、半導体産業の現場から「迷信」が一掃できれば、望外の喜びである。
本書編集委員には、できるだけ広い分野に関連する多くの人に参加いただき、時間をかけて議論するのが望ましいが、初めての企画でもあり、早く出版することを最重点に考え、少ない人数で効率的に進めたので、満足できない点も多く目につくが、読者諸氏の御叱正をいただければ幸いである。
最後に、本書の出版にあたって貴重なご助言をいただいた能美防災株式会社 宮崎、袖岡両氏および出版をお世話下さったリアライズ社 村川社長、畑井、廣田両氏に本書編集委員を代表して厚く御礼申し上げます。
※概要は初版刊行当時のものを掲載しております。
【目次】
第1章 半導体製造のための安全対策
第1節 半導体製造での安全対策
1. 半導体産業の特徴と安全対策
第2節 電源OFF安全モード
1. 基本概念
第3節 半導体製造での安全対策と実施例
1. 半導体製造装置の安全規格「電源OFF安全モード」について
1.1 電源遮断
1.2 ガス遮断に関する規格
1.3 警報信号に関する規格
2. クリーンルーム安全関連設備
2.1 集中監視システム
2.2 入退室管理システム
2.3 緊急操作盤
2.4 放送設備
2.5 排気・廃ガス
2.6 廃液
2.7 無停電電源
2.8 漏水対策
3. ガス供給設備
3.1 ガスシリンダー
3.2 集中管理ガス
4. 薬品供給設備
4.1 自動供給方式
4.2 薬品保管庫
5. 対応例
第2章 半導体薬品(液)の安全対策
はじめに
第1節 半導体用薬品(液)の危険性と取り扱い方法
1. 半導体用薬品の種類と防災安全指針データ
2. 化学薬品の安全に関係する法規など
3. 化学薬品の保管と管理
4. 労働災害発生とヒヤリ・ハット事例
5. 初期の応急処置
第2節 半導体製造用薬液供給部品および装置
1. 配管部品
2. バルブ
3. ポンプ
4. フィルター
4.1 コンタミネーション
4.2 濾過特性
4.3 脱気性能
4.4 安全性
5. 薬液循環濾過装置
6. 自動薬液供給装置
6.1 運搬容器
6.2 供給装置
7. WET STATION(洗浄装置など)
7.1 主として使用される薬液名と運転/廃液条件など
7.2 筺体
7.3 配管、 ダクト
7.4 熱化学槽
第3節 ウエハ洗浄工程で発生する排ガスと排水処理
1. 排ガス処理
1.1 排気ダクトの系統別区分
1.2 排気量の決定
1.3 風量のコントロール
2. 排水処理
あとがき
第3章 半導体用ガスの安全対策
第1節 主な半導体ガスの危険性
はじめに
1. ガスの状態・性質別危険性
1.1 ガスの状態による危険性
1.2 内容ガスの性質による危険性
2. 半導体用ガスの潜在危険性
3. 半導体製造工程でのガスに起因する危険性
第2節 半導体用ガスの供給体制
はじめに
1. 半導体用ガス供給方式
1.1 自家製造
1.2 CE(コールド・エバポレータ)
1.3 トレーラ、 カードル
1.4 ボンベ、 スタンド
1.5 シリンダーキャビネット
2. シリンダーキャビネット
2.1 キャビネットの構造
2.2 設置場所
2.3 配管・バルブなどの設備
2.4 排気系の構造
2.5 保安
3. 除害装置
第3節 半導体ガスの貯蔵および取り扱い方法
1. 貯蔵
1.1 容器置場における貯蔵
2. 半導体用ガスの取り扱い
2.1 シリンダーキャビネット内でのガス取り扱い方法
2.2 シリンダーキャビネット内での容器交換方法
2.3 容器置場でのガス取り扱い
3. 応急処置
3.1 ガス漏洩時の応急処置
3.2 火災時における応急処置
3.3 災害による患者に対する応急処置
4. 非常用防災用具など
4.1 保護具
4.2 非常用具
第4節 半導体製造現場での廃ガス処理
1. 各種除害方法
1.1 乾式除害設備
1.2 湿式除害設備
1.3 燃焼式除害設備
2. 工程・用途別廃ガス処理
2.1 ドライエッチング工程での廃ガス処理
2.2 CVD工程の廃ガス処理
2.3 イオン注入工程での廃ガス処理
2.4 容器置場での廃ガス処理
2.5 シリンダーキャビネットの廃ガス処理
3. 安全面から見た廃ガス処理
第5節 半導体用ガス関連法規
はじめに
1. 半導体用ガス関連法規など
2. 高圧ガス取締法
2.1 「高圧ガス」の定義
2.2 法体系など
2.3 主な許可・届出など
2.4 高圧ガス取締法の規制事項
2.5 消費基準
3. 半導体関連行政指導など
4. 労働安全衛生法
4.1 主な規制内容
4.2 有機溶剤中毒予防規則
4.3 特定化学物質など障害予防規則
4.4 酸素欠乏症防止規則
5. 消防法
6. 毒物および劇物取扱法
7. 公害関係法
7.1 公害対策基本法
7.2 悪臭防止法
7.3 大気汚染防止法
7.4 水質汚濁防止法
7.5 廃棄物の処理および清掃に関する法律
第4章 半導体クリーンルーム防災設備
第1節 反動クリーンルーム用防災設備
1. ガス検知警報設備の概要
2. 各種防災センサの種類と動作原理
2.1 半導体工業で使用される各種化学物質の性質と検知センサの性能
2.2 ガス検知センサの種類と動作原理
2.3 あとがき
3. 各種防災設備の構成
3.1 防災システム構成の基本的な考え方
3.2 ガス検知警報システム
3.3 あとがき
第2節 半導体クリーンルーム防災対策
1. 総合安全防災管理(安全活動について)
1.1 日常の取り扱い作業の安全手順(定常作業の安全管理)
1.2 装置・設備の保守点検・修理作業の安全手順(非定常作業の安全管理)
2. 総合安全防災監視システム
2.1 システムの活用
2.2 ガス検知警報器使用上の留意点
2.3 メンテナンスの実際
第3節 半導体クリーンルームの防災設備
1. 半導体クリーンルーム用防災設備
1.1 防災センサの種類と動作原理
1.2 防災設備の構成
2. 半導体クリーンルームの防災設備
2.1 防災設備の構成
2.2 火災と消火方法
2.3 消火設備の概要
2.4 クリーンルーム関連施設の消火設備と消火法
2.5 設備の構成
第4節 半導体クリーンルームの防災設備関連法規
1. 高圧ガス取締法
2. 特定高圧ガス消費の規制
3. 一般高圧ガス保安規則関係基準と規則関係条項
4. 特殊材料ガス災害防止自主基準(KHK S 0007-1985)
5. 特殊材料ガス漏洩検知警報設備指針
6. 特殊材料ガス等保安対策指針(神奈川県)
第5章 半導体製造での耐震対策
第1節 地震の規模・強さ
1. 地震の発生原因
2. マグニチュードと震度階級
3. 地震発生の危険度
4. 地震波の性状
5. 建物内の地震動
6. 装置などの地震応答
第2節 耐震対策の考え方
1. 地震被害の様相
2. 地震対策の目的
3. 地震対策の目標
第3節 耐震設計法
1. 耐震設計法の分類
2. 建築基準法
3. 建築センター設備耐震指針
4. 高圧ガス協会耐震指針
5. 建築学会非構造材耐震指針
6. 半導体製造設備設計用地震力
第4節 部材などの強度
1. 鋼材などの許容応力度
2. 力のつりあいと断面の性質
3. ボルト接合と溶接接合
4. アンカーボルトの種類と許容力
5. 組み合わせ応力
第5節 装置類の耐震対策
1. 装置類の製作・組み立て
2. 装置類の据え付け工法
3. 装置類のコンクリート床への固定工法
4. 装置類の移動・転倒防止工法
5. 二重床上の装置類の固定工法
6. 装置類の壁・天井への支持工法
7. 装置類の架台・基礎
8. 免震台
第6節 クリーンルーム設備などの耐震対策
1. 配管類の耐震対策
2. ダクト類の耐震対策
3. 薬品類の耐震対策
4. 二重床などの耐震強化
5. 免震床・免震建物
6. 付帯設備などの耐震対策
第7節 運用上での地震対策
1. 感震器制御システム
2. 点検・訓練など
第6章 半導体製造での放射線対策
第1節 半導体製造での放射線の種類と特徴
はじめに
1. イオン注入装置
2. エッチング・膜付け装置
3. ホトステッパー
4. 分析・評価装置
5. SOR装置
第2節 放射線の人体におよぼす影響
1. 電離放射線(X線/SOR)
1.1 身体的影響
1.2 遺伝的影響
2. レーザー
2.1 眼球への影響
2.2 皮膚への影響
3. 高周波
3.1 基本的効果
3.2 生物学的効果
第3節 放射線の防護
1. 電離放射線(X線/SOR)
1.1 X線の防護
1.2 SOR装置における放射線の防護
2. レーザー
2.1 レーザーを使用する者に対する一般事項
2.2 使用者が講じなければならない安全予防対策
3. 高周波
第4節 放射線関連法規
1. 電離放射線
1.1 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
1.2 労働安全衛生法
2. レーザー
3. 高周波
第7章 防災組織
はじめに
第1節 防災管理の意義と制度の概要
1. 防災管理の重要性
2. 自主防災管理の意義
3. 消防法に定める防火管理制度
4. 防火管理を行わなければならない防火対象物
5. 管理権原者、 防火管理者など
6. 防火管理業務の概要
7. 防火管理業務の一部委託
8. 共同防火管理制度
第2節 火災の現象
1. 火災の基礎知識
1.1 燃焼に関する理論の概略
1.2 消火の理論
2. 災害時の心理と行動特性
2.1 火災時の心理
2.2 災害時の行動特性
2.3 パニック
3. 主な出火原因と問題点
3.1 出火防止
3.2 危険物などの安全管理
第3節 地震対策
第4節 施設・設備の維持管理
1. 消防用設備など(消防法施行令第7条の規定による)
2. 防火・避難設備
第5節 防災組織と自衛消防
1. 防災組織のあり方
1.1 防火管理と自衛消防
1.2 自衛消防活動の意義と重要性
1.3 自衛消防組織
2. 防災訓練のあり方