商品コード: RLB223075

熱可塑性エラストマーの開発と市場 2019

販売価格(税込): 93,500
ポイント: 850 Pt
メーカーURL: https://www.cmcbooks.co.jp/
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■体裁:B5判・210頁
■発刊:2019年5月16日
■ISBNコード:978-4-7813-1418-1
■シーエムシー出版

【編集】
シーエムシー出版編集部

【刊行にあたって】
 熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers : TPE)は,プラスチックの優れた加工特性と,エラストマーの特性を併せ持つ高分子素材である。熱可塑性エラストマーは,熱可塑性のある末端ブロックと弾性のある中間ブロックで構成されており,その構造と性質をみると素材としてはプラスチック(熱可塑性物質)とゴム(エラストマー)の中間に位置する。
 熱可塑性エラストマー,合成ゴム,天然ゴムからなる,いわゆる高機能エラストマーと呼ばれる市場は,これまで自動車向けを中心に中国や東南アジアなど新興国の需要増加により拡大を続けてきた。すでに2014年には3つの需要を合わせると,市場規模は10兆円を突破し,2018年には11兆円を超えていると推定される。そのうち,熱可塑性エラストマーは約2兆円,合成ゴムが約5.4兆円,天然ゴムが約4.5兆円を占めている。今後もアジアを中心とする途上国における需要の増加により,市場の拡大が予想されている。
 熱可塑性エラストマーの用途としては,ゴムの代替材料として提案されているケースが多く,低価格であるというコストメリットもあり需要は伸びている。特に約70%以上を占めると推定される自動車向けの用途では,内装の操作系部分,外装の窓枠部分,エンジンルームの密閉部分などに多く利用されている。また,工業製品や玩具,スポーツ用品,包装材・梱包材,歯ブラシやかみそりなどの衛生関連用品などにも用いられている。
 本書は,上記の通り存在感を増す熱可塑性エラストマーの開発・市場動向についてまとめた。
 【開発編】では,企業や大学にて精力的に研究・開発されている専門家の方々にお願いし,開発動向総論,オレフィン系,エステル系,ウレタン系,イソブチレン系,自動車部品への展開,構造・物性解析,ブロック共重合体,生分解性など,注目のトピックスを中心に執筆して頂いた。
 【市場編】では,まず熱可塑性エラストマー全体の市場を分析し,さらに各種類ごとに掘り下げた。用途別需要動向についても大きく8分野に分けて徹底解説。最後に海外メーカーを含む主要メーカー動向についても調べあげた。
 熱可塑性エラストマーの生産あるいは利用されている方々へ向けて,情報収集の一助となれば幸いである。

【著者】
西 一朗  TPEテクノロジー(株)
知野圭介  JXTGエネルギー(株)
常峯邦夫  東レ・デュポン(株)
林 伸治  ディーアイシーコベストロポリマー(株)
中林裕晴  (株)カネカ
中尾順一  東洋紡(株)
中嶋 健  東京工業大学
小谷菜那子  東京工業大学
野呂篤史  名古屋大学
中山祐正  広島大学
塩野 毅  広島大学


【目次】
【開発編】
第1章 熱可塑性エラストマーの開発動向総論
1 はじめに
2 熱可塑性エラストマー(TPE)概論
3 TPE各論
3.1 オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)
3.2 スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)
3.3 ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)
3.4 ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)
3.5 その他熱可塑性エラストマーの開発
4 おわりに

第2章 低硬度かつ低圧縮永久歪性を持つオレフィン系エラストマー
1 はじめに
2 “ジェラティックⓇ”について
2.1 特徴
2.2 ラインナップ
2.3 低圧縮永久歪グレード
2.4 加硫ゴムへの配合
2.5 性能発現メカニズムについて
2.6 成形方法
3 用途展開と今後の展望

第3章 熱可塑性ポリエステルエラストマーの構造・物性とその用途展開
1 はじめに
2 熱可塑性ポリエステルエラストマーの構造と物性
2.1 熱可塑性ポリエステルエラストマーの合成
2.2 熱可塑性エラストマーの構造と特徴
2.3 熱可塑性ポリエステルエラストマーの物性
3 各用途への応用展開
3.1 CVJ(等速ジョイント)ブーツ
3.2 ドアロック
3.3 AT車向けシフトレバークッション及びスライドプレート
3.4 スイッチ類
3.5 内装表皮用途
3.6 2色成形用途
3.7 不織布・モノフィラメント
4 新規機能用途・材料の提案
4.1 異種材接合
4.2 発泡成形体
4.3 3次元スプリング構造体
4.4 透明
4.5 耐熱
5 おわりに

第4章 熱可塑性ポリウレタンエラストマー
1 はじめに
2 TPUの基本特性
2.1 製法と構造
2.2 TPUの原料と特性
2.3 ウレタン基濃度
3 成形方法とTPUの用途
4 TPUの高機能化
4.1 低硬度TPU
4.2 高耐熱性TPU
4.3 高透湿性TPU
4.4 耐光変色性TPU
4.5 ノンハロゲン難燃性TPU
4.6 非石油由来TPU
5 今後の展開

第5章 イソブチレン系熱可塑性エラストマーSIBSTARⓇの用途展開
1 はじめに
1.1 SIBSTARⓇとは
1.2 SIBSの基本特性
1.3 SIBSTARⓇの分子構造と特性の関係
1.4 ガスバリア性
1.5 制振性
1.6 耐熱性
1.7 成形加工性
2 SIBSTARⓇの用途展開
2.1 軟質ガスバリアエラストマーコンパウンド
2.2 粘着フィルム
2.3 樹脂改質
3 今後の展開

第6章 高耐熱熱可塑性ポリエステルエラストマーの技術・開発動向と車載部品への展開
1 はじめに
2 TPCの化学構造と物性
3 「ペルプレンⓇ」タイプ別の特徴と用途例
4 次世代自動車へのポリエステルエラストマー「ペルプレンⓇ」の応用
4.1 自動車エンジンルーム部品への応用
4.2 電動化に向けた車載用電線への応用
4.3 吸音材,制振材に向けた発泡ポリエステルエラストマーの応用
4.4 加工技術を組み合わせた応用事例
5 おわりに

第7章 熱可塑性エラストマーにおける動的ネットワークのナノスケール構造・物性解析
1 はじめに
2 研究の背景
3 動的ネットワークについて
4 ナノ触診原子間力顕微鏡(AFM)
5 ナノ触診AFMによるTPEの解析
6 おわりに

第8章 ブロック共重合体をベースとした非共有結合性エラストマーの開発
1 はじめに
2 ブロック共重合体をベースとした非共有結合性エラストマーと従来型のブロック共重合体TPEとの比較
3 ブロック共重合体をベースとした非共有結合性エラストマーの分子特性依存性
3.1 低Tg中央鎖の分子量依存性
3.2 水素結合性官能基導入率の依存性
4 ポリスチレン-ポリジエン-ポリスチレントリブロック共重合体をベースとした非共有結合性エラストマー
5 おわりに

第9章 生分解性を備えた熱可塑性エラストマーの設計と合成
1 緒言
2 ポリエステルをソフトセグメントとする共重合体
3 ポリカーボネートをソフトセグメントとする共重合体
4 ポリエーテルをソフトセグメントとする共重合体
5 共役ジエンポリマーをソフトセグメントとする共重合体
6 その他のポリマーをソフトセグメントとする共重合体
7 まとめ

【市場編】
第1章 熱可塑性エラストマーの市場動向
1 概要
2 需要動向
3 製品と用途動向
4 メーカー動向
4.1 スチレン系エラストマーメーカー
4.2 オレフィン系エラストマーメーカー
4.3 塩ビ系エラストマーメーカー
4.4 エステル系エラストマーメーカー
4.5 ウレタン系エラストマーメーカー
4.6 アミド系エラストマーメーカー
4.7 その他のエラストマー

第2章 各種熱可塑性エラストマーの市場動向(各項目共通:概要,需要動向,製品と用途動向,メーカー動向)
1 スチレン系(TPS)
2 オレフィン系(TPO)
3 動的架橋型(TPV)
4 塩化ビニル系(TPVC)
5 塩素化ポリエチレン系(CPE)
6 ポリエステル系(TPC,旧称TPEE)
7 ポリウレタン系(TPU)
8 ポリアミド系(TPA,旧称TPAE)
9 シリコーン系(TPSE)
10 アクリル系
11 フッ素系
12 その他の(新しい)熱可塑性エラストマー
12.1 ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー
12.2 ジェラティック
12.3 カルレッツ
12.4 グレイザード

第3章 用途別需要動向
1 自動車用部品
1.1 エアバッグカバー
1.2 内装表皮材
1.3 バンパー
1.4 ブーツ類
1.5 オイルシール・ガスケット
1.6 ウェザーストリップ
1.7 エアダクト
1.8 ワイヤーハーネス
1.9 ホース・チューブ
1.10 その他
2 工業用品
2.1 キャップシール
2.2 ホース・チューブ
2.3 フィルム
2.4 工具類
2.5 粘接着剤
2.6 コーティング剤
2.7 シーリング材
2.8 電線被覆材
2.9 制振・吸音材
3 雑貨
3.1 ペングリップ
3.2 時計バンド
3.3 歯ブラシ
3.4 玩具
3.5 消しゴム
4 建築・土木
4.1 ローラー
4.2 ホース・チューブ
4.3 建築用ガスケット
4.4 防水シート
4.5 ポリマー改質アスファルト
5 樹脂改質剤・相溶化剤
5.1 ポリマー改質剤
5.2 合成ゴム利用改質剤
5.3 エンジニアリング樹脂改質剤・相溶化剤
5.4 アスファルト舗装材改質剤
6 スポーツ用品
6.1 スポーツシューズ
6.2 ゴルフボール
6.3 スキーブーツ
6.4 水中ゴーグル,ダイビングマスク,シュノーケル
7 医療材料
7.1 注射器ガスケット
7.2 チューブ
7.3 キャップ(栓)
7.4 パッキン
7.5 輸液バッグ
7.6 包装材(フィルム,シート)
8 食品関連
8.1 容器
8.2 キャップライナー
8.3 チューブ

第4章 メーカー動向(各項目共通:概要,製品と用途,生産拠点と生産能力)
1 旭化成
2 JSR
3 アルケマ
4 宇部興産
5 クラレ
6 住友化学
7 東ソー
8 東洋紡
9 東レ・デュポン
10 三菱ケミカル
11 リケンテクノス
12 信越ポリマー
13 大日精化工業
14 ディーアイシーコベストロポリマー
15 BASFジャパン
16 アロン化成
17 日本ゼオン
18 三井化学
19 その他の国内メーカー
19.1 カネカ
19.2 サン・アロー化成
19.3 昭和化成工業
19.4 昭和電工
19.5 新興化成
19.6 ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス
19.7 デンカ
19.8 日本ポリプロ
19.9 プラス・テク
19.10 ブリヂストン
20 海外メーカー
20.1 Eastman Chemical
20.2 ExxonMobil Chemical
20.3 Kraton
20.4 KRAIBURG TPE
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